「低い声と関西弁がいい」「なぜか説得力がある」“次期首相候補ランキング”の常連《高市早苗氏の演説》がなぜか気になってしまうワケ
ビジネスのプレゼンでも、全体像を示すときには大きな身振り、要点を押さえるときには小さな動きが効果的とされる。高市氏の演説も同じで、腕の振りや掌の開きが言葉とぴたりと合うことで、聴衆は自然に引き込まれていく。言葉と所作の一致は、伝える力を何倍にも高めている。
笑顔が少ないのが課題ではあるが…
一方で、課題は笑顔にある。
彼女の笑みは突然現れてすぐに消えることが多く、自然さよりも作為性を感じさせる。本物の笑顔は目元まで動き、余韻を残して続くのに対し、一瞬で消える笑顔は形だけと見なされ、時に相手に緊張や距離を感じさせてしまう。

とはいえ、笑顔は「つねに多ければよい」というものではない。むしろ、所信表明や政策論争の場で無理に笑みを作れば、迎合や弱さと受け止められる危険がある。
重要なのは、強さを打ち出す場面ではあえて笑顔を抑えつつ、言葉を言い切った直後など緊張が解ける瞬間に自然な笑みを余韻として残すことだ。その一瞬が、威厳を保ちながら温かみも伝えるバランスを生み、リーダーとしての幅を広げていく。

もし彼女が首相の椅子に座ったとき、その声や視線がどんな日本像を世界に映し出すのか──。それは、日本で初の女性首相が誕生する可能性を含め、まだ未来に委ねられている。
ただ確かなのは、非言語の力が理念や政策と同じくらい、リーダーの印象を左右し、人々の記憶に残る要素となることだ。そう考えると、彼女の姿は「次の日本のリーダー像」を思い描くうえで、示唆に富む存在といえる。
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