【グローバル人事の「目」】駐在員早期育成の最前線《2》--たった2日で経営感覚をつかむ裏ワザ
実際の会社同様にビジョンや経営戦略を定め、経営資源の配分を行い、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー、KPI(経営のカギとなる指標)を作り、資金が足りなければ銀行から借り入れる。当然資金がショートすれば会社は倒産、実際の資金調達のように銀行が納得いく事業計画・資金繰り計画を作らないと借り入れはでき出来ない、といった経営の疑似体験をさせる。
このプロセスを経験することで、(1)自分の専門領域とバリューチェーンとの関連がわかり、(2)現場の声を生かしながら、全社的判断をする力が鍛えられる。また、(3)経営・戦略論を実際の経営の中で活用する勘所もつかめる。
◆経営シミュレーション研修の選択基準
経営シミュレーション研修を企画する際のポイントは「シナリオが最初から決まっていない」「複数名の経営チームで判断する」「マーケットの変化が乱数ではなく経営チームの意思決定で変化する」「損益計算書・貸借対照表・キャッシュフローを参加者の手で作成する」「2日程度でじっくり学べる」をすべて満たすものを選べば間違いない。
海外赴任を前提とするのであれば、国内で開発された経営研修プログラムよりも、グローバルで広く流通しているプログラムを活用するべきだ。
人事ジャーナリスト、コンサルタント、HRストラテジー代表、MSC(マネジメントサービスセンター)エクゼクティブアドバイザー、プライスウォーターハウスクーパース、マーサー・ジャパン、アクセンチュアのプリンシパルを経て現職。外資系・日系の大手から中堅企業までの組織・人材マネジメント改革に従事。クライアント数は18年間の累計で300社を超える。著書に 『M&Aを成功させる組織・人事マネジメント』(日本経済新聞社)。寄稿、講演多数。
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