日本株は「ニューノーマル」へ? PER上限が20倍程度まで拡大する余地はあるか
松井証券のシニアマーケットアナリスト・窪田朋一郎氏は、高PERの中での株高について「日銀はインフレが高止まりしても利上げできなくなっている。実質金利が深いマイナスを持続することを確認したうえで(株価は)上昇している印象がある」とみている。
実質金利が極めて低ければ、債券対比での魅力から、株価は多少割高でも選好されやすいとの見方のほか、実質金利が極めて低いことで、先行き円安が進んで高いPERが正当化されるとの見方が背景にあると窪田氏はみている。
三菱UFJアセットマネジメントのエグゼクティブ・ファンド・マネージャー、石金淳氏は、国内総生産(GDP)の名目成長率がプラスになっている足元と、名目成長率がゼロ付近だったバブル崩壊後の局面とでは、状況が異なると指摘する。
このため石金氏は、PER17倍台が「非常に割高」とはいえないとして「長期でみれば、PERのレンジが15―20倍程度へと切り上がる可能性はある」と話している。
目先は利益確定と押し目買い交錯か
もっとも、急ピッチの上昇には一服の兆しもある。12日と違い13日の東京市場では一部の銘柄の上昇が鈍化する動きもみられた。指数寄与度の高いソフトバンクグループは小幅高で引けたが、朝方に一時1.9%安となるなど、売りが先行した。松井証券の窪田氏は「きょうで(株価の)天井になるほど弱いとはみていないが、個別では上昇ピッチが鈍っているものもあるので、株高のクライマックスが近い可能性もある」と指摘する。
一方、株価急騰の中で買い遅れた投資家も多いとみられ、押し目では買いが下値を支えるとみられている。三菱UFJAMの石金氏は、日経平均が7月中旬に3万9000円台後半で推移した局面では一部の投資家は手が出しにくかったと話す。目先は「過熱感を警戒した利益確定と、押し目買いが交錯する動きになるのではないか」との見方を示している。
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