"最恐"西武園「新ゴジラライド」どれほどリアルか アカデミー賞の山崎貴監督が制作、世界に配給

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ライドの3作目として、前作、前々作を超える内容にするためにはどうしたらいいか。山崎監督は「ゴジラ−1.0のように海のシーンをライドにすれば面白いのではないか」と考えた。映画では主人公たちを乗せたおんぼろの小舟をゴジラが追いかけるシーンがあり、確かにスリル満点だった。「逃げ場のない海の中が舞台になるライドならスリルがある」。

映画で描かれた海の波や水しぶきはCGで作成され、本物のようにリアルな表現が世界で絶賛された。しかし、本作での映像制作はゴジラ−1.0のときよりも大変だったと山崎監督が明かす。

「ライドなので観客のすぐ近くに波が来る。波は近ければ近いほど繊細に作り込まないといけない。しかもワンシーンワンカットなので映像が途切れず、シームレスでつながっている。また、映画では波がザバーンとくればそのシーンが終わるが、ライドでは波がザバーンと来てから波が収まるまで作らないといけない」

山崎貴監督
西武園ゆうえんちのライドアトラクション「ゴジラ・ザ・ライド グレートクラッシュ」の映像制作を手掛けた山崎貴監督(記者撮影)

ゴジラの造形は変わった?

作り込みの作業量が膨大になり、山崎監督は劇場版ゴジラの新作を控えていることもあって、「次の映画の準備があるからもういいよ」とスタッフに言ったが、スタッフたちは満足がいく映像ができるまで作業をやめなかったという。

初代のゴジラ・ザ・ライドの映像も山崎監督の手によるものだ。今でこそ山崎監督はゴジラ−1.0の監督として名高いが、当時は映画『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズの監督として紹介されており、少なくとも一般的には山崎監督とゴジラは結びついていなかった。しかし、その三丁目の夕日の2作目(2007年)にゴジラが登場するシーンがあり、熱狂的なゴジラファンの間で「歴代のゴジラで最も格好いい」として高い人気を得ていた。実は山崎監督はゴジラの大ファン。どう描けばゴジラが格好よく見えるか、そのツボをちゃんと心得ていたのだ。

この記事の画像を見る(5枚)
次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事