【ソニーのアニメ覇道】狙うは「次のプレステ」か…カドカワとバンナムに出資する全方位戦略の狙い、プレステ勃興期とアニメ事業の類似点は

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ソニーグループ傘下には大きく分けて2つのアニメ関連事業会社がある。1つは国内有数の製作会社で「総合エンタテインメントカンパニー」を掲げるアニプレックス。もう1つは日本国外向けにアニメ配信を手がけるクランチロールだ。

アニプレックスは売上高1458億円、営業利益241億円(いずれも2024年度)を稼ぐ、国内最大手級の製作会社だ。『鬼滅の刃』のように原作のある作品のアニメ化はもちろん、『リコリス・リコイル』などオリジナルストーリーのアニメ企画や、関連イベントの実施、海外展開も行う。

傘下に有力制作スタジオのA-1 PicturesとCloverWorksも抱えており、アニメに関するほとんどのビジネスを一貫して行うことができる。

ほかにもスマートフォン向けゲームの「Fate/Grand Order」を手がけたり、直近では傘下の「ミリアゴンスタジオ」が製作幹事として実写映画『国宝』をヒットさせるなど、活動の幅は広がっている。

プレイステーションに一番近い

一方、クランチロールはアニメの配信を中心とする。国内ではサービスを展開しておらず、日本のアニメファンの間ではさほど知名度が高くない。

ウォークマンやプレイステーションなどソニーの看板商品に知財戦略を通じて携わってきた御供俊元CSO(撮影:梅谷秀司)

しかし世界のアニメファンからは圧倒的な支持を集めている。3月末時点で有料会員数は1700万人超。

200以上の国と地域でサービスを利用でき、2000本以上ある配信タイトルの一部では、日本国内の放送と同時に字幕付きで視聴できる。

グループでアニメを含むIP展開などの事業開発を担当する御供俊元CSO(最高戦略責任者)は、アニメ事業について「プレイステーション(PS)に一番近い。例えるなら、PS発売からPS2ぐらいまでのフェーズにある」と解説する。(インタビュー詳細はこちら

プレイステーションの事業では当初2000億円だった売上高が、30年間で20倍の4兆円超まで成長した。アニメ事業が同じような経過をたどるなら、まさに今は夜明け前。破竹の勢いはどこまで続くのか。

ソニーグループ内で高まるアニメ事業の存在感、名うてのスタートアップ、Gaudiy出資の狙い、アニプレックスやクランチロールの実態などについて触れた本記事の詳報版は、東洋経済オンライン有料版記事「ソニー肝煎りのアニメ事業は「次のプレステ」になれるか?カドカワとバンナムに相次ぎ出資する全方位戦略の狙い、プレステ勃興期との類似点は」でご覧いただけます。
梅垣 勇人 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

うめがき はやと / Hayato Umegaki

証券業界を担当後、2023年4月から電機業界担当に。兵庫県生まれ。中学・高校時代をタイと中国で過ごし、2014年に帰国。京都大学経済学部卒業。学生時代には写真部の傍ら学園祭実行委員として暗躍した。休日は書店や家電量販店で新商品をチェックしている。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事