早速荒れそうな8月相場、「1年前と今」を比べれば個人投資家がどうすればいいのかは明らかだ

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為替、特にドル円相場はどうか。昨年は1ドル=160円台までの円安になった処で行われたと思われる強烈な政府・日銀の為替介入で急速に円高に動き、一時は141円台までの円高となったことも、下げの大きな理由だった。今年は150円まで円安となった後に、147円台まで円高が進んだが、介入による人為的なものではない。

また、日経平均の「原動力」の1つであるハイテク株はどうか。1年前はハイテク神話が崩れ、アメリカ市場で半導体関連を中心にハイテク株が売られたことで、それが日本市場にも波及した。だが、現在はAI関連を中心に、一定の信頼は得ている。

今夏は指標面でも割高感なく、金融政策も慎重姿勢

さらにファンダメンタルズ、つまり企業業績と株価の関係はどうか。2024年7月11日と今年8月1日の日経平均指標を比較すると、前者の単純平均配当利回り(日経平均採用銘柄)は1.71%だった(現在は2.07%)。

また、PER(株価収益率)は 17.58倍(同16.53倍)、EPS (1株当たり1利益)は2401円(同2468円)で、PBR(株価純資産倍率)は1.57倍(同1.49倍)と、すべての指標で現在のほうが割安になっている。昨年は予想を下回る決算が相次いで売り圧力を強めたが、現在は予想ほど悪くはないのだ。

一方、日銀の金融政策はどうか。2024年夏は、日銀の利上げ転換への警戒感が急速に広がり、市場に大きな不安をもたらした。だが、現在は慎重な政策を継続しており、市場に安心感を与えている。

2024年の夏は日経平均が7月11日に4万2224円の最高値をつけた後、7月17日~26日まで2年9カ月ぶりの8営業日連続安を記録、投資家に大きな不安感を与えた。だが、今回は連続安こそ同じようにあったものの、7月25日~30日の4営業日だけで終わり、この間の下げ幅も1171円にすぎない。

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