早速荒れそうな8月相場、「1年前と今」を比べれば個人投資家がどうすればいいのかは明らかだ
この昨年の約1万1000円もの急落は、1つの要因だけでは起きない値幅だ。その数多くの要因と現在を比べてみると、今後の相場展開がわかる。早速比べてみよう。
今回のアメリカ株下落の理由は、何も雇用統計だけではない。雇用統計と同日に発表された7月のISM製造業景況指数は48.0と、市場予想の49.5や6月の49.0を下回り、このことも嫌気された。実は2024年7月のISM製造業景況指数も46.8と、6月の48.5を下回ったことで、同年8月1日のNYダウは一時前日比約700ドル安となっている。
そして今回の雇用統計のネガティブサプライズだが、2024年7月の雇用統計も、非農業部門雇用者数が前月比11万4000人増と予想を大きく下回った。また失業率も4.3%と予想よりも悪化、4カ月連続で上昇した。これを受けて2024年8月2日のNYダウは下げが止まらず、一時前日比900ドル安となった。
「日本株には過熱感がない」のは明らか
では、日経平均のチャートの形はどうか。これは2024年とはかなり違う。2024年7月11日のローソク足(日足チャート)は、前日10日との間で実線が重なっておらず、チャート用語で言う「マド」を開け、翌12日の前日比1033円安で寄りつきから大きく下げたため、同じく「マド」を作った。
従って11日の日足は、大陸から離れた小島のような形となった。で、チャート用語では「アイランドリバーサル」と言うが、相場の天井を表す典型的な形となった。これによって、2024年は史上最高値更新後の高揚感が一転して過熱感に変わり、利益確定売りが加速したのである。今回は7月23日に再度4万円に乗せてから、立ち合い日数8日間の強弱対立のせめぎ合いがあり、売買高を見ても過熱感はない。
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