止まらない公明党の"地盤沈下"、どこかと組むにも八方ふさがり… 徐々に強まる「解散風」でも自公連立の枠組みでは無理筋なワケ
石破首相の就任直後に行われた昨年10月の衆院選で、自民党は67議席を失う大敗北を喫した。小選挙区での得票数は前回の2762万6157票から2086万7762票へと、675万8395票も減少した。
その前年からくすぶり続けた「政治とカネ」問題の影響も大きいが、石破首相が故・安倍晋三元首相と対立関係にあったため、「岩盤保守票が自民党から流出した」と言われた。しかし、原因はそれだけではなかったはずだ。
友党である公明党もこのとき、大きく票を減らしている。2021年の衆院選で公明党が獲得した比例票は711万4282票で、目標の800万票に達していなかったが、2024年の衆院選では596万4415票と、とうとう600万台を割り込んだ。
小選挙区でも、2021年の衆院選では9選挙区で候補を擁立して87万2931票を得たが、2024年の衆院選では11選挙区に候補を擁立しながら73万0401票しか獲得できなかった。代表に就任したばかりの石井啓一氏が出馬した埼玉14区をはじめとして、北海道10区や愛知16区、そして「常勝関西」の4選挙区も全滅した。
そして今夏の参院選では、埼玉県選挙区と神奈川県選挙区、そして愛知県選挙区を落としてしまった。ある公明党の関係者は、苦戦が伝わっていた選挙戦の最中に、「選挙区では東京と神奈川しか獲れないということか」と嘆いたが、その神奈川県選挙では佐々木さやか氏が参政党の初鹿野裕樹氏に5289票差で敗退し、次点に泣いた。
自公はどこと組むのが適当なのか
明らかに公明党の“地盤沈下”は進んでいる。比例票のみならず、擁立してきた7つの選挙区での得票数を見ても、2019年には391万3359票、2022年には360万0490票で、2025年には317万5970票まで減少。得票率を見ても、2019年は7.77%だったが、2022年には6.7%、2025年は5.37%まで縮小した。
これが意味するところは何か――。自公連立政権の“基礎”の崩壊だ。
自民党が公明党と連立を組んだのは四半世紀前。以来、自民党は各小選挙区に2万票から3万票ほど存在するといわれる「公明票」に助けられてきた。言い換えれば、野党候補に対して「公明票」以上の差をつけられない自民党の候補は、自力で当選する力がないことになる。
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