昔も今も変わらない「マルーン」、阪急電車の記憶 懐かしの旧型車や「ダイヤモンドクロス」の迫力

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さらに宝塚線の川西能勢口で接続する能勢電鉄では、阪急から譲渡された戦前生まれの320型や500型、戦後の昭和20年代に製造された610型も走っており、古豪の活躍を夢中で追いかけた記憶がある。

能勢電鉄 610型
能勢電鉄の610型。元阪急の610系で戦後に製造され、1977年から能勢電鉄に譲渡された(撮影:南正時)
能勢電鉄 500型
元阪急500系の能勢電鉄500型(撮影:南正時)
【写真】川西能勢口―川西国鉄前間の「国鉄前線」を1両で走っていたクリーム色と青の塗り分けの50型

平面交差「ダイヤモンドクロス」の思い出

そのころの阪急の名物といえば、西宮北口駅の「ダイヤモンドクロス」であろう。現在、今津線は同駅で南北に分断されているが、1984年までは直通しており、神戸線と今津線が直角に平面交差していた。

路面電車同士や路面電車と鉄道線の平面交差はほかにも各地にあったが、鉄道線同士の平面交差は国内では珍しい事例だった。今となっては大手私鉄の阪急で、頻繁に電車が行き交う両線がクロスしていたとは信じられない人も多いようだ。筆者の撮影した写真を見て合成やトリック写真かと尋ねた人もいる。

ダイヤモンドクロス 西宮北口
西宮北口駅のダイヤモンドクロス。今津線(左)と神戸線が直角に平面交差しており、電車通過時の轟音は迫力があった(撮影:南正時)

複線の線路が直角に交差しているだけあってクロス部分を通過する際の走行音はすさまじく、「ダダダダダダダダッ」とまるで機関銃の連射のような轟音が響き渡った。とくにまだ現役だった釣り掛け駆動の電車がやってくると、そのモーター音も相まってものすごい迫力で、半日いても退屈しない場所だった。

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