昔も今も変わらない「マルーン」、阪急電車の記憶 懐かしの旧型車や「ダイヤモンドクロス」の迫力

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マルーンの車体に木目調の車内、緑のシートと伝統を維持し続けるイメージの阪急電車だが、やはり時代の流れで変化してきた部分も多い。1つはその伝統の象徴である塗装だ。

マルーンを基調としていることは変わらないが、1989年登場の8000系以降は6300系と同様、屋根周りを白く塗り分けた塗装が標準となった。それ以前の車両もリニューアルなどによる塗り替えが進んだことで、マルーン1色の「フルマルーン」の車両は姿を消しつつある。筆者は6300系に魅せられたこともあり、屋根周りが白い塗装もいいカラーリングだと思うが、やはりマルーン1色の車両が消えていくのは寂しい思いがする。

阪急京都線 3300 5300 離合
京都線の3300系(右)と5300系のすれ違い。車体全体がマルーン1色の「フルマルーン」の車両は今や数少なくなった(撮影:南正時)
阪急京都線 7300系
リニューアルされ、屋根周りが白い塗装となった後の京都線7300系(撮影:南正時)

「伝統」今後も大切に

そしてもう1つ阪急の大きな特徴であった、窓の「鎧戸」も姿を消しつつある。これはいわゆる日よけで、他社の車両ではカーテンやブラインドなどを使用しているところ、阪急は下から引き上げる形のアルミ製の鎧戸を長らく採用し続けてきた。近年の車両は一般的なロールカーテンとなり、既存の車両もリニューアルの際に交換されているため、いずれは見られなくなってしまうであろう。

阪急 鎧戸
姿を消しつつある「鎧戸」(撮影:南正時)
【写真をもっと見る】デビュー当時の6300系、丸みのある車体が特徴だった1010系や1100系、能勢電鉄に転じた戦前生まれの旧型車など懐かしの車両から現役車両まで「マルーン」の阪急電車の数々

京都線の特急には2024年7月から座席指定車両が連結され、車両も6300系の後継として登場した9300系から、さらに最新の2300系に交代が進んでいくことになる。近年はキャラクターの派手なラッピング車両が人気を集めているが、現代的な要素を取り入れつつもやはり「阪急電車らしい」伝統は今後も守り続けてほしいものだ。

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南 正時 鉄道写真家

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みなみ・まさとき / Masatoki Minami

1946年福井県生まれ。アニメーターの大塚康生氏の影響を受けて、蒸気機関車の撮影に魅了され、鉄道を撮り続ける。71年に独立。新聞や鉄道・旅行雑誌にて撮影・執筆を行う。

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