米キャタピラー、通年利益予想引き下げ 想定内で株価は急伸 2016年も5%減収を見込む
[シカゴ 22日 ロイター] - 米重機メーカーのキャタピラー<CAT.N>が発表した第3・四半期決算は、純利益が減少した。建設業や鉱業、石油・ガスの掘削活動が世界的に低迷するなか、重機販売が落ち込んだ。同社は2015年の利益見通しを引き下げるとともに、中国の景気減速やブラジルの景気後退(リセッション)を背景に2016年の売り上げが落ち込むと警告した。
だが株価は一時4.5%高の72.83ドルと、1カ月ぶり高値をつけた。決算内容は、大幅なリストラ計画とあわせ9月に発表した業績見通しの下方修正にほぼ沿った内容だったため、買い安心感が広がった。
純利益は3億6800万ドル(1株当たり0.62ドル)。前年同期は10億2000万ドル(希薄化後1株1.63ドル)だった。リストラ関連費用を除く1株利益は0.75ドル。前年同期は1.72ドルだった。アナリストの予想は0.78ドル。
売上高は110億ドルで、前年同期の135億ドルから減少。アナリスト予想は112億5000万ドル。
オーバーヘルマン最高経営責任者(CEO)は声明で「売上高が前年同期から19%減少するなど、顧客の主要産業の大半は厳しい状況が続いている」と指摘した。
2015年の1株利益見通しは3.70ドルとし、従来の4.70ドルから引き下げた。リストラ費用を除く1株利益見通しも従来の5ドルから4.60ドルに下方修正した。
2015年の売上高見通しは480億ドル相当とし、従来予想を据え置いた。一方、2016年は5%の減少を見込む。
業況が悪化する中、同社は過剰能力を抱えているとして、2016年の設備投資予定額は2012年の水準の半分以下になるとした。
建設業界については、アジア太平洋地域や旧ソビエト連邦諸国の景気悪化に加え、中東の政治不安や原油安が足かせとなっているとした。
中南米では、建機販売が前年水準を60%下回るなど、とりわけブラジルの弱さが顕著とし、ブラジルのリセッション(景気後退)は2016年も継続するとの見方を示した。
*内容を追加します。
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