「配慮に欠けるものであった」「心よりお詫び」…。「中国(台湾)」表記で波紋のセブン、その"謝罪文"にモヤモヤする背景
簡単に中国と台湾の関係をおさらいしておくと、中国(中華人民共和国)政府は台湾を「中国の一部だ」と主張しているが、台湾側は「独立した“中華民国”だ」としている。
日本政府は1972年の日中国交正常化により、中華人民共和国と国交を結んだ。それ以降、「日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する」(日中共同声明より)といった立場を取っている。
しかし国交のない中でも、台湾の人々への敬意や尊重を求める声は根強く、オリンピックなどに出場する台湾の選手団も「チャイニーズタイペイ」と呼ばれ、中国選手団とは別に扱われている。
こうした経緯から、中国政府の見解を踏襲しているように見える表現には、反発の声が集まりやすい。セブンの件にも案の定、批判的な論調が出ている。中には「不買運動」を呼びかける投稿もある。
SNS外でも「中国(台湾)」が常用されている可能性
そしてセブン&アイHDのXは投稿を削除のうえ、7月12日に謝罪文を発表したが、事態は沈静化せず、むしろ火に油を注ぐ状態になっている。
SNS上では、今回の件のみならず、セブン&アイグループ内で「中国(台湾)」との分類が常用されていたのではないかといった指摘が出ている。
実際にセブン&アイHDが公表している事業説明資料「コーポレートアウトライン2024年度版」を見ると、たしかに「中国(台湾)」と書かれていた。店舗ネットワークを表す世界地図や、訪日観光客数、セブン-イレブン店舗数の推移などに、この表記が見られる。


同資料では、その他の「中国」は省ごとに分けられていることがほとんどだが、ライセンシー(地域限定ライセンスを受けてセブン-イレブンを運営している会社)のページには、「中国(台湾・上海)」が同一のライセンシーにより運営されているとの説明もされている。
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