参院選で自民が議席を減らしたときの株価の行方…過去のデータを分析してわかったジンクス

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参議院の議員の定数は248人です。過半数はちょうど半分を超える125人ですが、与党は過半数を超えることで、参議院で法案の可決をコントロールすることができます。現在は自民党と公明党の連立政権となっているため、自民・公明で過半数となるかがポイントですが、現在の勢力は自民党が114人、公明党が27人の合計141人で過半数を上回っています。参院選後にも引き続き自民・公明で半数を超えられるかが大きな焦点です。

今回の参院選の前哨戦と言われた6月の都議会議員選挙では自民党が敗北してしまいました。その結果、参院選でも自民党にとっては厳しい結果になるとの見方が少なくありません。

自民党の単独の議席数がどの程度減ってしまうかも注目されています。現在の自民党の議席占有率は114人÷248人(議員定数)で46%です。獲得議員数が3人減ると議席占有率が45%を下回ってしまいますが、過去の分析結果からはこの45%という数字に意味があります。

自民党の参院選での議席占有率と株価の関係

最後に紹介する3つ目のジンクスは「自民党の参院選での議席占有率が45%を上回ると、選挙の2カ月後に向けた株価は堅調」というものです。自民党の参院選での議席占有率が45%を上回ると、おおむね2カ月後となる20営業日後までの株価は6割の確率で上昇しました。一方、45%を下回ると3割程度しか株高とはなりません。このように2カ月程度という中期的サイクルで見ると、政権政党の議員獲得数が多ければ政局安定を好感して株価が上がりやすいことがわかります。

これまで紹介した参院選の3つの株価ジンクスから実際の投資戦略を考えてみましょう。

基本的に参院選の年の株価は上がりにくいというジンクスから、今年の株価はそれほど強気に見ておかないほうが無難かもしれません。ただ、短期的な株価ジンクスから、参院選前で株安となっても、参院選後の戻りが期待できます。しかし、2カ月程度の保有で考えるなら、参院選で自民党の議席数が3人以上減る場合は議席占有率が45%を下回るため投資するうえでは注意が必要でしょう。

吉野 貴晶 青山学院大学大学院 青山ビジネススクール 客員教授

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よしの たかあき / Takaaki Yoshino

金融情報誌「日経ヴェリタス」アナリストランキングのクオンツ部門で、記録的となる16年連続で1位を獲得した後、ニッセイアセットマネジメントに入社。大学共同利用機関法人 統計数理研究所のリスク解析戦略研究センターで客員教授を兼任。青山学院大学大学院国際マネジメント研究科(MBAコース)で経営戦略、企業評価とポートフォリオマネジメントの授業の教鞭も取る。代表的な著書に『No.1アナリストがプロに教えている株の講義』(東洋経済新報社、2017年) 。

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