セコムが住生活グループ・LIXILと生活の悩みごとを解決する合弁会社立ち上げ、3年後200億円目指す
セキュリティ事業最大手のセコムは3月28日、住生活グループ<5938>傘下のLIXIL(リクシル)との合弁会社を通じ、生活全般の悩みごとにワンストップで応える新サービス「生活太助」の立ち上げを発表した。
ガラスや鍵が壊れたりトイレが詰まったりといった緊急の相談から、家庭の掃除や収納、模様替えといった家事手伝い、高齢者の生活支援、住まいの修繕、地震対策、省エネ対応まで生活全般にわたる相談をコールセンター窓口で一元的に受け付け、その相談内容に応じて、提携先のプロ集団に橋渡しする、というのが「生活太助」の仕組み。
顧客がそれぞれの業者と契約する場合も、運営会社である「くらしテル」(セコム6割、リクシル4割出資、今年1月に設立)が元請けとなり、サービス状況の監視やアフターフォローなどについても責任を持つ。
「生活支援サービスを提供する業者は無数にあるが、これまでは専門ごとに業者が分かれており、顧客の側で必要なサービスを調べて探し出すという手間がかかった。また、探し出した業者が信頼できるかといった不安や、自宅に入って作業してもらうことへの抵抗もあった」(三澤敏宏・くらしテル社長、写真左から2人目)。その点、セコムやリクシルのブランド力を背景に、1カ所であらゆる生活サービス利用の入口を用意する、というのが「生活太助」の狙いだ。
もともと、セコムでは家庭用のセキュリティサービス会員(全国77万戸)を対象に、2005年から「セコムホームサービス」の名で生活支援サービスを提供していたが、これまでのサービスはトラブル対応や家事代行、クリーニングなどが中心だった。今回、リクシルとの提携により、住宅周りの修繕・修理といったサービス内容の追加が可能になり、対象も一般ユーザーに広げる形で事業を拡大する構えだ。
国内の成長領域として住宅リフォーム事業の強化を掲げている住生活グループにとっても、住宅周りの修繕・修理から省エネルギー型設備の提案などといった需要の掘り起こすための「大きな入口」(藤森義明・住生活グループ社長、写真右端)となりそうだ。
サービス開始は4月2日。東京・名古屋・大阪など政令指定都市からスタートし、「1年後には全国展開を目指す」(同)。当面の事業計画としては、3年後に依頼件数2万3000件、200億円の売り上げが目標だ。
(勝木 奈美子 =東洋経済オンライン)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら