江ノ電「20年ぶり」新車で気になる従来車の今後 新型700形の登場で現在の主力1000形は引退?

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1983年12月19日には第3次車(1201号車と1251号車)が登場。前照灯と尾灯が角形化され、ライトケースのようなカバーが付けられ、従来の柔らかい表情からシャープな印象へと変化した。また登場当初から冷房装置を搭載している。

1000形シリーズの最終形態として、第4次車(1501号車と1551号車)が1986年4月23日、第5次車(1502号車と1552号車)が、1987年12月10日に登場した。この2つの編成は、従来の駆動装置「吊り掛け駆動方式」から、同線の近代化により「カルダン駆動方式」へと変更された車両で、江ノ電の歴史上、初めての出来事であった。

筆者は700形の導入と同時に1000形シリーズの吊り掛け電車(1001号・1002号・1101号・1201号の、各編成)を置き換えていくのではないかと考える。また、1960年製の300形(305・355)編成の動向も気になるところだ。

【画像をすべて見る】「1000形」は1979年にデビューした江ノ電のベテラン車両。鉄道友の会の「ブルーリボン賞」を受賞している。大ベテランの「300形」の姿も。そして2026年度に導入する新型「700形」とはいったいどんな車両なのか?

デビューイベントを行うのか

江ノ電の時代を築いたおなじみの車両との別れ、期待される新しい車両との出会い。こういった波が、江ノ電にも訪れる。今後去り行くと思われる電車を惜しみながら、700形に関する新しい情報にも注目してゆきたい。なお、700形登場の際、デビューイベントを行うのか、あるいは引退車両によるイベントなどの予定はあるかと江ノ島電鉄の鉄道部運輸課に質問してみたところ、「現在検討中」とのことだった。

江ノ電にとって、久しぶりの新形式車両である。どのような形であっても、地域利用者から江ノ電愛好家まで、誰もが心からお祝いしたくなるようなイベントをぜひ開催してほしい。その際、特に近年問題になっている一部の鉄道マニアによる迷惑行為などは、絶対に発生してはならない。せっかくの大切な記念日を、長く思い出に残る素敵なイベントにしてほしい。参加者の誠意・協力が、確実に必要だ。

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渡部 史絵 鉄道ジャーナリスト

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わたなべ・しえ / Shie Watanabe

2006年から活動。月刊誌「鉄道ファン」や「東洋経済オンライン」の連載をはじめ、書籍や新聞・テレビやラジオ等で鉄道の有用性や魅力を発信中。著書は多数あり『鉄道写真 ここで撮ってもいいですか』(オーム社)『鉄道なんでも日本初!』(天夢人)『超! 探求読本 誰も書かなかった東武鉄道』(河出書房新社)『地下鉄の駅はものすごい』(平凡社)『電車の進歩細見』(交通新聞社)『譲渡された鉄道車両』(東京堂出版)ほか。国土交通省・行政や大学、鉄道事業者にて講演活動等も多く行う。

 

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