江ノ電「20年ぶり」新車で気になる従来車の今後 新型700形の登場で現在の主力1000形は引退?
700形への置き換えが予想される1000形は1979年に登場した車両で、2両1組の連接車両の6編成(合計12両)が製造された。当時の江ノ電にとって、実に48年ぶりに登場した完全新造車両であり、現在もすべての車両が現役で運行されている。
登場から翌年の1980年には、鉄道友の会の会員投票による選抜によって、鉄道車両に贈られる最優秀賞「ブルーリボン賞」を受賞した。前面の大きなガラスと、モダンなスタイルと言われれば、この1000形をイメージする人も多いだろう。
1000形の基本思想の中に、「車体は近代感覚を盛り込んだ優雅かつ斬新なデザインとし、古都鎌倉の歴史的背景との調和を十分に配慮すること」「接客設備は座席の改良や換気、暖房装置により快適性を追求する。また運転室背面や客室側窓からの眺望性を向上する」などがあり、観光輸送にも力点を置いた設計だとわかる。
観光客の目は釘付けに
最初に登場した第1次車(1001号車と1051号車)、(1002号車と1052号車)は1979年12月3日にデビュー。旧型車両ばかりだった同電鉄に新風を吹かせ、たちまち人気車両となった。前面と側面に電動方向幕を備え、カラーリングも旧来車両と異なる新たなデザインで、スタイリッシュな車体。休日になると多くの観光客が訪れ、その車窓に観光客の目は釘付けとなった。

その人気に後押しされたかのように、第2次車(1101号車と1151号車、)が1981年12月20日から営業を開始した。江ノ電で初めて冷房による空調サービスを意識した車両で、登場当初から冷房装置の搭載準備が施されていた。実際に冷房装置を搭載し、冷房サービスを開始したのは1982年である。また、客室内に首振り式の扇風機が設置してあるのも特徴的で、現在江ノ電で扇風機の搭載は、同編成が唯一である。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら