江ノ電「20年ぶり」新車で気になる従来車の今後 新型700形の登場で現在の主力1000形は引退?
開発コンセプトは、「日常から非日常まで 想いを紡ぐENODEN」。沿線に暮らす人々と、鎌倉・江の島を訪れる人々、それぞれの想いやときめきを紡ぐ存在となる、明るく未来志向の車両を目指すという。
700形は現在の主力車両1000形を置き換えていく形で導入されると思われる。新型車両を導入する目的は今後老朽化する現役車両の置き換えか、あるいはインバウンドを意識したものなのか。江ノ島電鉄の鉄道部運輸課に導入の経緯を聞いてみたところ、以下のような回答が得られた。
「インバウンドを含めた、観光でお越しのお客様はもとより、地域の方々へ新しい価値をご提供することが、我々の使命であると考えており、今回このタイミングでの導入に至りました」
江ノ電は外から見ていると観光客を輸送する路線の色合いが強いが、実際は地域住民の移動手段として使われる公共交通機関である。その使命を未来へつなぐ目的として、車両の導入に至ったようだ。もちろん観光需要の高まりを意識したことも間違いないと思うが、担当者の話からは、地域愛にも満ちあふれていると感じ取れた。
イメージは「鎌倉高校前に到着する姿」
700形の外観イメージとして発表されたのは、鎌倉高校前駅に到着する姿がイラスト化したもの。斜めに配置された前照灯、斜傾した大きな前面ガラスが印象的だ。側面の様子は見られないため、今後追加される情報が待たれる。
車内インテリアは、「日常にも非日常にも美しい海沿いの景色を楽しんでもらえるように」と、座っている利用者の視線が、海側を向く座席配置となっている。「日常と非日常」という表現は、生活利用と観光利用両方の側面を持たせるという意味であろう。また、鉄道車両で初めて採用するフィルムを窓に貼付した。窓が割れた際の飛散防止を図るほか、まぶしさを抑え、色鮮やかな景色を楽しむことを目的としているようだ。

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