発表から10年たっていてもなお、走りに古さを感じさせない。その理由は「シャシーの基本性能が高かったから」とコール氏。
それゆえ、12気筒のベンテイガ・スピードより、今回のV8の後継モデルのアップデート化を受け入れる余地があったということだ。つまり、さらによくなった、と感じられる。

とはいえ、ベントレー・モーターズは2026年に新型SUVの発表を控えている。ベンテイガは、そのクルマにポジションを譲ることになるのだろうか。
コール氏はそれを否定した。BEV(バッテリー駆動EV)も出るという新世代SUVと、ベンテイガは共存するそうだ。
「新型車は、ベントレーのラインナップにおける第4の柱になります。ドライバビリティにおいてすぐれたモデルとして開発していて、サイズ的にはベンテイガより少しコンパクトになるでしょう」
求められる「昔からの世界観」
ベンテイガ・スピードに乗ると、適度に旧世界的なよさが随所に感じられる。
モーターを持たない駆動系による走りや、レザーとウッドをふんだんに使った内装は端的な例。昔からのベントレーの世界観が、うまく演出されている。

すべてを変えるのでなく、新しい世代のプロダクトを追加することで、多様性を保つ。
ガソリンエンジンはすぐにやめず、むしろ車両の性能を向上させ、価値を上げる。それが、ベントレーの購買層に歓迎されるマーケティングだろう。

ベンテイガ・スピードには、はっきり存在意義が感じられる。このクルマでないと手に入らない世界がある。その商品価値を理解して、しっかり守っているところが、ベントレーが、“超”のつく高級ブランドであり続けるゆえんだろう。
なお、ベンテイガ・スピードの日本での価格は3408万円だ。
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