一部だけ、周囲の交通が途切れたワインディングロードの区間があって、そこで速度を上げてみたところ、直線でのダッシュや制動において“軽快さ”を感じられた。
カーブに入ったときも、同様だ。
ステアリングホイールを切ったときに車体が向きを変える反応速度や車体の傾き具合はよくチューニングされ、カーブ内で望んだとおりのラインを取れるトレーシング性能も高い。
小さなカーブが連続しても、なんの苦もなく、ひらりひらりという感じでこなせてしまう。

電子制御サスペンションシステムとブレーキをうまく使い、加減速時の車体の動き方や、カーブで車体が外にふくらまないようにするコントロールも、たいへんにうまいと感じられる。
ベンテイガ・スピードは、後輪操舵システムを標準装備。ベントレー車の例にもれず、介入は控えめで、ドライバーに違和感を生じさせることもない。
高速道路では操縦安定性を増し、カーブを曲がるときはホイールベースが短くなったような俊敏性を与えてくれる。
私が乗った車両は、オプションの23インチ大径ロードホイールを装着。これもスポーティなハンドリングに寄与しているはずだ。
チタン合金でつくられたアクラポビッチ製エグゾーストシステム(これもオプション)も装備していたので、高速の直線区間などでさぞかし加速がいいだろう。機会があれば試してみたい。
スーパーカーなみの加速を持つクルマゆえ、なかなか試せる機会は訪れないが……。

オフロードを走る性能は必要か?
一般道では交通の流れに乗ったドライブに終始したが、ベントレーはもうひとつ、楽しみを用意してくれていた。広大な牧場でのドライブだ。
起伏に富んだ土地を縫うように、幅の狭い砂利敷きの道が走っている。そこでオフロード性能を試すのだ。
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