ベンテイガ・スピードには、いわゆるオフロードモードはない。しかし、それが問題にならないことが、よくわかった。
そこではまず、一般的な「ノーマル」モードに相当する「ベントレー」モードを選択。静止状態から思いきりアクセルペダルを踏み込んでみた。

一瞬、タイヤは砂利の上でグリップを失ったように感じられるが、すぐに加速に移る。
そのあとフルブレーキング。車体後部の姿勢が一瞬乱れるが、すぐに収束。短い距離でまっすぐ前を向いて車体は停止した。たいしたものだ。
ベンテイガ・スピードでは、「スポーツ」モードの性能強化が特徴のひとつとされている。
「V8エンジンのポテンシャルをコーナリング中に引き出すことが可能」だという。
カーブを回るとき、内側のブレーキを使って車体の姿勢を制御するトルクベクタリングも、ベンテイガ・スピードでは入念にチューニング。“きわめて鋭い”ターンイン性能(カーブに入るときの姿勢制御)が体感できる。

スポーツモードで、砂利道を走るのも楽しい。
カーブの途中でアクセルペダルに力をこめると、後輪にトルクがたっぷりかかって、車体後部が外にふくらもうとする。ただし、不安にならない範囲での動きで、かつ収束性がよい。
砂利道もサーキットも走れる性能
なぜオフロードでの試乗機会を用意したのだろう。前出のプロダクトラインディレクターのコール氏に尋ねた。
「SUVですから、オフロードでの性能も重要と考えています。それを体験してもらうのが目的です」
さらにコール氏は続ける。
「ベンテイガ・スピードほど、オンロードとオフロードともに高い性能を有しているクルマはないでしょう。砂利道も走れれば、サーキットも楽しめる。そういうクルマにしようと開発しました。ほかに同等の性能を有しているクルマがあるでしょうか? ない、と私は思います」
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