「安全じゃない」「変な虫も一緒に届いた」などの声もあるが…批判を一蹴「SHEIN」「Temu」儲けのカラクリ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

SHEINやTemuは、中国国内から香港や広州などのハブを経て、専用の航空チャーター便を毎日のように世界各国に飛ばしている。バルク(大量)出荷でスケールメリットを得ることで、1アイテムあたりの送料は数十円台という、異次元のコスト水準を実現できているのだ。 

安価な商品の背後には倫理的問題も? 

また、中国に限らず、多くの国は越境ECの売り上げの多くをアメリカに依存している。日本の越境ECの売り上げも半分はアメリカだ。 

アメリカには中国から1日200万個の小包が届くといった話もある。そのため、「自国の産業を守る上でドナルド・トランプ大統領による“トランプ関税”は非常に正しい」というのが大久保氏の見解だ。 

「中国製品は依然として安価であり、アメリカにとっては自国の製造業を脅かす存在となっています。関税はそれを守るためには当然の手段だと考えられます」 

関税は企業の国籍に関係なく、製造国が基準となるため、対中国のトランプ関税は中国に進出した日本企業の製品にもかかる。輸出品の製造国に関するルールは細かく決まっており、中国から仕入れた部品を日本で組み立てて完成品にしても日本製にはならない。 

トランプ関税発表後、製造国を偽装した輸入製品の取り締まりがアメリカ国内で活発化しているという話もあるようだ。 

「これまで、申告額が800ドル以下の輸入貨物に関税をかけない国は、アメリカくらいしかありませんでした。そのため、トランプ大統領からすれば『なぜ税金も払わずに、アメリカ国民相手に金儲けをするのか?』と疑問に思うのは当然のことと言えるでしょう。価格差が非常に大きいため、おそらくアメリカは日本以上に深刻な状況にあると考えられます。他国ではすでに規制が始まっており、インドは中国製アプリそのものを禁止しているほか、ベトナムやインドネシアでも、一時的な規制がかけられています」 

アメリカが中国から仕入れる製品の中には事実上、中国でしかつくれなくなっている製品も多い。BtoBの場合、生産現場と改善・修正を重ねてきたアメリカの輸入企業が短期間で別の国での生産に切り替えることは容易ではない。 

国内に競合企業のある場合はともかく、そうした中国製品(スマートフォンなど)まで価格が上がる利点がアメリカ消費者にあるのかは広く報道されている。 

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事