「安全じゃない」「変な虫も一緒に届いた」などの声もあるが…批判を一蹴「SHEIN」「Temu」儲けのカラクリ

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一方、Temuは、中国で格安ECアプリ「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」を展開するPDDホールディングスが、海外向けに運営するオンラインマーケットプレイス。「Shop like a Billionaire(億万長者気分で買い物をしよう)」をコンセプトに、日用品や家電、ファッションやガジェットなどを数百円から購入できる。

電動キックボードが1000円程度で売られていて驚くが、ページをよく見ると「実はキックボード用のバッグだった」というオチも。ただ、個性的すぎるアイテムが多く、人と被らないことを重視する若者には人気がある。

Temu
電動キックボードが1000円程度で売られている!? ……と思いきや、実はキックボード用のバッグ(出所:Temu)

2022年9月にアメリカでサービスを開始し、カナダ、オセアニア、日本市場には2023年7月に進出。上海で創業したPDD社は、現在はアイルランド・ダブリンに本社を置き、登記はタックスヘイブンとして知られるケイマン諸島(英領)にある。

バルク(大量)出荷でスケールメリットを得る 

 中国国内でも小売り事業を展開するSHEINとTemuだが、主軸はあくまで越境EC。中国の安価な労働力を背景とした圧倒的な価格競争力こそが人気の理由だ。

「両社とも、“相場の10分の1くらいの値段で買える”というイメージを持たれていると思います。日本で見ても十分安いですが、アメリカだとさらに割安に感じられるでしょうね。まさに“億万長者になった気分で買い物できる”という感覚がウケてるのだと思います。しかも、どちらもだいたい5日くらいで商品が届くのですが、このくらいの配送期間を許容できる人にとっては、コスパ抜群のサービスでしょう」 

越境EC販売ではメーカーがモールへ出品することが多い。しかし、SHEINやTemuも中間に卸業者は介在しない。注文を受けた商品は、航空貨物に適用される簡易通関制度「マニフェスト通関」で国外へまとめて直送される。 

通常の商業貨物を輸出・輸入する際、輸出入者ごとに申告書の作成が必要だが、マニフェスト通関では運送契約ごとにまとめて運送される場合、一括して申告できる。そのため大量の航空貨物を定期便で効率的に運べるのだという。 

「世界のEC市場規模ランキングで1位の中国は、国を挙げて越境EC事業を推進しており、そのシェアは1カ国で世界の越境EC市場の半分を占めています。日本への配送料は、世界的な日用品取引の問屋街である浙江省義烏市や杭州市などにある倉庫から発送された場合、1件あたり1〜5元(小包1個につき数十円)程度です」 

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