まさに「採用の戦国時代」に突入した今、人材獲得のために知っておきたいZ世代の《職業選択の基準》
では、すぐに切り替えればいいかというと、事はそう簡単には運ばないでしょう。かつての常識を捨て、価値観や定義を時代に合わせてアップデートするということは、ともすると、それまでエースとして活躍していた人を否定することになるからです。
企業にとっては大きな変化ですし、それをネガティブにとらえる人も必ず出てくると思います。
以前、とある物販関係の大企業の経営者がこんなことを語っていました。
「営業職の働き方を根本的に見直して、最新のAIやテクノロジーの活用を試みたのですが、言葉で説明するほど簡単ではなく、実際に現場で実践しようとすると大きな混乱と困難に直面しました……」
これは紛れもない本音でしょうが、一方で企業にとっては必要な変化です。経営においても選択肢の多様化が進むこれからの時代は、経営方針と価値観の刷新ならびに明確化、そしてそれを内部にも外部にも、丁寧に発信していくことがマストになっていくでしょう。
「これまでの手法」から脱却する採用基準の構築
AIやテクノロジーの進化の影響を受けているのは、いわずもがな営業職だけではありません。業務を"人間以外の力"に任せられるようになってきた職種は、ほかにもまだまだあります。かつては高い付加価値があり、習熟度が大きな武器になっていた職種が、AIやテクノロジーにそのポジションを奪われつつある状況が生まれているのです。
高い付加価値をつけることができる職種と、そうでない職種のトレンドも、大きく変わってきています。そして実際に、それを踏まえてAIやテクノロジーで代替できる業務に人員を割かなくなってきた企業も増えています。
こうした変化のなかで、求職者の仕事観や価値観も変わってきています。スキルの有無や待遇条件だけではなく、「自分にとって意味のある仕事かどうか」が、職業選択の重要な基準として浮かび上がってきているのです。
たとえば、「誰かの役に立てている実感があるか」「その仕事をすることで自分らしくいられるか」といった感覚を重視する人は、世代を問わず確実に増えています。
なかでもZ世代は、その傾向をより鋭敏に持っており、「自分がワクワクできること」や「それをやるためにここにいると思える仕事」に対して、強く惹かれる傾向があるといえるでしょう。
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