コメ高騰で輸入米が増加、くすぶる自由化論議

コメ高騰で輸入米が増加、くすぶる自由化論議

輸入自由化の議論に一石を投じるか。外食や小売りで、輸入米導入が広がっている。牛丼大手の松屋フーズは、全国約600店で豪州産米を国産米に交ぜて提供。「かっぱ寿司」も1店舗で試験的に導入したほか、小売りでも西友が3月10日、関東や静岡の149店舗で中国産米の販売を始めた。価格は5キログラムで1299円と、最も安い国産米より2割強安く、「『日本のコメと変わらない』と好評価で、予想以上の売れ行き」(西友)だ。

輸入米の採用が相次ぐ背景には、福島第一原子力発電所の事故発生後の局所的なコメ不足がある。収穫量の多寡を示す全国作況指数は101と例年並みだが、放射能汚染を恐れ福島、東北地方のコメを敬遠する動きが顕在化。これを受け昨夏以降、コメ卸各社が在庫の手当てに走ったため、卸売価格が前期比で約2割高騰した。

特に原発事故の影響が小さいとの考えから、北海道米の需給が逼迫。北海道米は業務用などに使われる低価格米が多いため、外食産業や低価格品主体のスーパーは調達に苦労しているのだ。

「作況指数がよいため、コメ不足が見えていた昨年11月時点でも、外食業界は何とかなると高をくくっていた。が、その後も米価上昇が止まらず、慌てて輸入米の調達に走った」と大手コメ卸は語る。

「すき家」を展開するゼンショーおよび吉野家の牛丼2社は、いずれも「輸入米を導入する計画はない」とする。が、あるコメ卸業者は「牛丼屋やスーパーから『とにかく安いコメが欲しい。早くサンプル米を持ってきてくれ』と要望が殺到している」と言う。

政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 子どもを本当に幸せにする「親の力」
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 角田陽一郎のMovingStudies
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
トレンドライブラリーAD
人気の動画
東芝、会社「3分割」に残る懸念
東芝、会社「3分割」に残る懸念
ウエルシアがイオンと挑む「ドラッグストア飽和」打破の勝算
ウエルシアがイオンと挑む「ドラッグストア飽和」打破の勝算
百貨店の最終兵器「外商ビジネス」が抱える難題
百貨店の最終兵器「外商ビジネス」が抱える難題
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「非財務」で生きる会社、死ぬ<br>会社 企業価値の新常識

今や株価を決める最大の要因は「非財務情報」というのが世界の常識に。優れた開示を行えば企業価値の向上につながる一方で、開示が不十分だと株を売られるリスクも。企業価値の新常識をめぐる混乱とその対処法に迫りました。

東洋経済education×ICT