コメ高騰で輸入米が増加、くすぶる自由化論議

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輸入枠は早々に上限に

「今回の米価高騰は、外食産業の営業利益率を1%弱押し下げる」(農林中金総合研究所の藤野信之研究員)と予想され、対応は不可避。今後、輸入米の需要は一層高まる見通しだ。中国側の農家も、「従来は中国国内の富裕層向けに販売してきたが、今回の日本への輸出をきっかけに、輸出量をさらに増やしたい」(中国・吉林省の農場経営者)と鼻息が荒い。

問題となるのが、国内農家の保護のため、政府が定める輸入枠だ。主食用米に回される輸入量は約10万トンで「増やすことは考えていない」(農林水産省)。今年度はすでに上限に達したが、「応札の状況からいけば、15万~20万トンの需要があったのではないか」と、コメ卸大手・木徳神糧の三澤正博常務は見る。

日本がTPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加に向けた協議を開始している中、発生したコメ不足。輸入枠の拡大や自由化を求める声が広がる契機ともなりそうだ。

(松浦 大、平松さわみ 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2012年3月24日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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