電子回路の集合体にすぎないAIが、人格を主張することはありえるだろうか。もしそうなったときに起こることと、人間が対処すべきこと

AIと人間の違いって何だろう(写真:Mills/PIXTA)
近代合理主義の登場によって科学も技術も発展し、人間の暮らしはとても豊かになった。AI(人工知能)の進化普及によって、その傾向はますます強まっている。
何を聞いても答えをくれるAI。私より賢いかもしれないAI。とすると、こんな疑問が思い浮かぶ。
このまま技術が進歩して、かぎりなく人間と見分けがつかないAIが生まれ、人格を主張しはじめたら、いったいそれはAIだろうか? 人間だろうか?
もし人間ではないとしたらその根拠は?
韓国で教養ブームを巻き起こした『全人類の教養大全2』の著者であるチェ・ソンホ氏が語る内面に通じる道の見つけ方とは――。
人間はタンパク質の大きな塊にすぎない!?
優れた能力を持つAIが広く普及して、その技術がZというスマホに搭載されたとしてみよう。Zに声をかけたり質問をしたりすると、Zは前後の脈絡を考慮して最適な答えを返してくれる。
ある日、めちゃくちゃ暇だった僕はZに聞いた。
「君にも意識はあるの?」
するとZが答えた。
「もちろん。あなたと同じ内面世界を持っている」
この答えを聞いて、みんなはどう思う?
本当にZにも意識が、内面世界が、主観的な体験が存在するのだろうか? もし意識が存在するなら、その根拠は何だろうか? また、「ない」と思うならその根拠は?
ここで、ふたたびZに質問してみた。
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