欧州自動車市場で「中国製PHV」販売急増の背景 追加関税かからず、中国メーカーが積極投入

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中国メーカーはEUの反補助金関税がかからないPHVの販売を強化している。写真はBYDのPHV「シールU DM-i」(同社ウェブサイトより)

ヨーロッパの自動車市場で、中国製PHV(プラグインハイブリッド車)の販売が急増している。EU(欧州連合)が中国製EV(電気自動車)に対して反補助金の追加関税を課したため、その代替商品として中国メーカーが売り込みをかけているのが背景だ。

イギリスの市場調査会社ロー・モーションの調査レポートによれば、中国のEV最大手のBYD(比亜迪)はEU市場での2025年3月の月間販売台数に占めるPHVの比率が41%、国有自動車大手の上海汽車集団は同49%に達した。両社とも通年ではPHVの販売台数がEVを上回る見通しだという。

BYDのPHVが欧州首位に

国有中堅の奇瑞汽車(チェリー)は、EU市場での販売規模こそ小さいものの、2025年3月に販売した電動車の約7割がPHVだった。

アメリカの電動車専門メディアのクリーンテクニカによれば、BYDの中型SUV「シールU」は2025年3月にヨーロッパ市場で約7000台が売れ、同月の電動車の販売ランキングで第8位に食い込んだ。

しかも、そのうち約6000台はPHV版の「シールU DM-i」であり、PHVだけに限ればヨーロッパ市場で販売台数トップに立った(訳注:シールUにはEV版もあり、PHV版と併売されている)。

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