無印良品が旧小学校を宿泊施設に! 遊休不動産を活用して地域の暮らしを体験できる「MUJI BASE」 千葉「MUJI BASE OIKAWA」レポート

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「ここは、もともと職員室だった場所です。既存のガラス張りのパーテーションの奥が有料エリアになっています。都市部からのワーケーション利用もありますが、利用者の大多数は地元の方です。

最も若い利用者は高校生で、大学受験の勉強に活用されています。ドロップイン(1日利用)は1000円ですが、月額利用は3000円と、地域の方が気軽に使えるよう、利用しやすい価格に設定しています」(野村さん)

パーテーションの手前は、飲食できるコミュニティスペース。宿泊のチェックインもここで(写真撮影/土屋比呂夫)
体育館の屋根にあった老川小の校章。「手彫りで色合いもとても優しい感じで温かみがあって。シンボルとして使わせてもらっています」(野村さん)(写真撮影/土屋比呂夫)

既存の備品と無印の商品が融合したインテリア

次に案内していただいたのは、かつての職員玄関です。野村さんによれば、「既存の備品や構造を活かしつつ、無印良品の製品を組み合わせて使うというコンセプト」を表した施設を象徴する場所とのこと。

現在はインフォメーションスペースとして活用されていますが、見どころは、施設のコンセプトに沿ってセレクトされた壁面の装飾と、天井に設置されたシャンデリア風のライトです。

壁に展示されているアイテムの一部は、実際に無印良品の店舗で販売されている商品で、小学校時代に使われていたブリキのバケツや、八百屋さんから譲り受けたリンゴ箱などもディスプレーの一部として再利用しています。

玄関を入って左側にあるインフォメーションには、地図が設置されている。最寄りの飲食店を紹介したポストカードは、持ち帰ることも可能(写真撮影/土屋比呂夫)
無印良品の商品とアンティークが、違和感なく溶け合っている。ブリキのバケツには、「6年生」の文字が(写真撮影/土屋比呂夫)
アンティークの車輪からライトを吊るした個性的なシャンデリア風ライト(写真撮影/土屋比呂夫)

野村さんは千葉県鴨川市の出身。入社後は店舗運営や店舗開発業務に携わり、地域事業への関心が高まったタイミングで、地域連携を担う部署へと異動しました。

MUJI HOTELの立ち上げにも従事した後、さまざまな経緯を経て、かねてより借り受けていたものの活用が進んでいなかった大多喜の施設(現在のMUJI BASE OIKAWA)に、自ら手を挙げて関わることを決意。約2年半前に現地へ移住し、本格的に事業化に向けて動き出しました。

「この施設は2017年から無印良品が借用していたのですが、シェアキッチンや多目的ホールの利用、マルシェの開催など単発的な催しが中心で、継続的な事業には至っていませんでした。『いつになったら本格的に始まるのか』という地域の空気を感じる中で、これ以上何も進まないままでは申し訳ないという思いが、行動の原動力になりました」(野村さん)

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