小田急下北沢駅、地下化後も不変?「サブカル感」 きれいになった駅にも残る「シモキタらしさ」

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地上1階には南西口と東口の改札をまっすぐ結ぶコンコース。2019年3月に小田急と京王それぞれに「中央口」が設けられるまでは改札内で乗り換えができた。

コンコースは天井から太陽光を採り入れる構造で明るい印象。小田急に関わりが深かった故・宮永岳彦氏の原画をもとにした壁面の陶板レリーフが出迎える。「箱根そば」の店舗は、入り口は目立たないが改札の中と外のどちらからも利用できる。

小田急が地上を走っていた東北沢―世田谷代田間の線路跡地には「下北線路街」が誕生。カフェや飲食店だけでなく、保育園から温泉旅館まで多種多様な施設が連なる。下北沢駅の2階部分には商業施設「シモキタエキウエ」がオープンした。

2022年3月には京王井の頭線の高架橋下に商業施設「ミカン下北」が開業した。京王電鉄は発表資料で「多様な文化が交差し、絶えず自由に編集され、変わり続ける、つまり“常に未完である”ことに下北沢の普遍的な魅力を見出し、未完ゆえに生まれる新たな実験や挑戦を促す想いから、『ミカン下北』としました」と名称の由来を説明している。

一方、2025年1月31日には三省堂書店も入っていた「ピーコックストア下北澤店」が建物の建て替えに伴い閉店。駅周辺の変化は続く。

サブカル聖地の玄関口らしい?

小田急の下北沢駅の改札口では京王井の頭線との誤乗を防ぐため、「小田急線専用改札口」「Odakyu Line ONLY」「ここは小田急線の改札口です」といった駅名看板よりも大きなフォントで注意を呼びかけるサインが目立つ。

下北沢駅 小田急改札 京王改札
改札外では小田急線を水色、京王井の頭線をピンク色に分けて誤入場を防ぐ(記者撮影)
【写真をすべて見る】地上ホーム時代の下北沢駅。線路が地下化された後も複々線化の工事は続いた。そして生まれ変わった現在の駅。サブカルの聖地として人を引き付けるシモキタの玄関口の役割は変わらない

小田急へは水色、京王へはピンク色の大きな矢印で誘導する。小田急の改札を入っても地下1階の目印は青色、地下2階はオレンジ色とカラフルだ。ホームでは電車通過時の強風への注意喚起が随所に。駅舎がきれいでオシャレになっても、こうした雑然さがどうしても残ってしまうところがサブカルの聖地シモキタの玄関口らしいと言えるのかもしれない。

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橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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