「うつになったツレ」と、離婚できますか? 夫に気を遣い続ける生活に、正直疲れました

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A. うつ病のみを理由に、訴訟で離婚判決を得ることは非常に難しい

確かに、配偶者がうつ病となることにより、夫婦の関係に多大なストレスを生じることはありえます。ただ、うつ病といっても、精神病院に入院をせざるをえないような場合もあれば、病気を抱えながらも仕事をすることができるケースもあり、さまざまな程度があります。

民法が離婚原因として定めているのは『強度の精神病』ですから、軽度や中等度のうつ病であれば、そもそも離婚原因にはあたらないと考えられます。

重度のうつ病の場合はどうなるのか

では、重度のうつ病であれば離婚できるのでしょうか。まずは『回復の見込みがない』とまでいえるかが問題になります。仮にこの要件を満たすとしても、判例は次の2つについて、具体的方策を確保することを求めています。

(1)配偶者の離婚後の生活費
(2)病院などの引受先

 

つまり、うつ病のみを理由に、訴訟で離婚判決を得ることは非常に難しいです。

たとえば、うつ病が原因となって別居することになり離婚訴訟にまでなった事案で、一審と高裁の結論が異なったケースがあります(名古屋高裁平成20年4月8日判決 家月61巻2号240頁)。

この夫婦は別居してから3年3カ月が経っていましたが、高裁判決では『妻のうつ病が治癒し、あるいは妻の病状についての夫の理解が深まれば、婚姻関係は改善することも期待できる』として、離婚を認めませんでした。

このように、裁判所は、うつ病の患者さんに相当程度配慮していると考えられます。

※ 弁護士ドットコムの法律相談コーナー「みんなの法律相談」に寄せられた相談をもとに編集部が作成

金子 宰慶(かねこ ただちか)弁護士
1995年弁護士登録(千葉県弁護士会)。得意案件は離婚を含む家事関係、交通事故、刑事事件など。千葉大学法科大学院非常勤講師、千葉市精神医療審査委員、社会福祉法人評議員、幹事等の経歴あり。最近の興味関心は、日本中世史。
事務所名:法律事務所大地

 

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