JR東日本が公式回答「新幹線大爆破」なぜ協力? 決め手はスケジュール?内容には口を出したのか

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ただ、実際に走行する車両での撮影だけあって苦労は尽きなかったようだ。たとえば、カメラを回しているときに列車がトンネルに入ると明るさが変わって、カットがつながらなくなる。撮り直そうとしても長いトンネルだと抜けるまでに5分くらいかかることもある。列車が到着するまでに撮影を終わらせないといけないという時間的な制約もあるだけにスタッフの苦労がしのばれる。

「でも普段経験できないことをできるというのも撮影の醍醐味。大変なことが最終的には楽しくなっていく。そんな経験でした」(草彅氏)。

同じく車掌を演じた細田氏は「車掌を演じると決まってから草彅さんと僕とのんさんでJRの車掌さんや運転士さんに話を聞きに行き、車掌さんや運転士さんが実際にどう動いているか直接教えていただいた」と明かした。指差喚呼をはじめ鉄道人ならではのしぐさが何度も登場するが、それはJR東日本によるアドバイスの賜物だったというわけだ。

新幹線大爆破 イベント 樋口監督
世界配信前のイベントで映画『新幹線大爆破』について語る樋口真嗣監督(撮影:尾形文繁)
新幹線大爆破 イベント 草彅剛 のん
作品について語るのんさん(左)と草彅剛さん(撮影:尾形文繁)
【写真】作中の一シーン。運転台での車掌・草薙さんと運転士ののんさん

なぜ協力?JR東日本に聞く

また、細田氏は「新幹線にどれだけ多くの人が関わっているかも学んだ」と言い、「当たり前に思われている定刻通りの発車ということがどれだけ難しいのかも含めて、車内も車外も勉強させていただいた」とも話した。表面的なしぐさだけではなく、鉄道の安全・安定運行についての心構えも学んだ。だからこそ、細部にもリアルさが感じられる仕上がりとなったのだろう。

原作の『新幹線大爆破』ではその内容ゆえに国鉄が協力を拒否したが、本作ではJR東日本の特別協力を取り付けた。これまでも映像化困難と思われた企画を国内外でいくつも実現し、そのすべてで高い評価を得たネットフリックスだからこそ成し得たといえるだろう。

では、なぜJR東日本は本作に協力したのか。今までもJR東日本の本物の列車内や駅を使って映画やドラマの撮影が行われた実績はある。ただ、どんな撮影でも許諾するというわけではないだろう。

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