「もう値上げも間近?」「今までが安すぎた」との声も出たが…サイゼ「下方修正でも絶好調」が示す大変化の"進捗"

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その理由は、読者のみなさんも日々実感しているだろう、コメやその他食料品の値上げだ。特にコメは昨年来から続く「令和の米騒動」の余波がずっと続いていて、政府の備蓄米の放出も行われたほど。

これらはどの企業も悩まされている問題だが、特に商品の値段をうかつには上げづらいチェーン系レストランにおいては、少しの値上げが死活問題になり得る。

ミラノ風ドリア
みんな大好き、ミラノ風ドリア。今も300円で提供されているのだから驚きだ(編集部撮影)

ただ、それは他のチェーン企業でも同様だ。

サイゼリヤ特有の話としてここで注目したいのは、下方修正したあとの「155億円」という営業利益。この数値、昨年が約148億円だったので、下方修正はしたものの、前期比では増益を維持しているのだ。

それどころか、この数値が達成されればその利益は過去最高水準となり、むしろ「下方修正でも過去最高水準の利益」と述べた方が実情に合っている。これだけインフレが進み、企業経営が圧迫される中でそんな業績を上げられているからだ。

実はここ数年、サイゼリヤは立て続けに過去最高益を出し続けており、まさにその経営は上り調子。

むろん、下方修正はいいことではないが、それでもなお業績を上げ続けていることに目を向けたい。

「ファストカジュアル化」で国内が大幅に業績改善

こうした業績向上の理由には何があるだろうか。

その一つが、これまで赤字を計上することも多かった「国内店」が昨年から飛躍的に伸びを見せていることにある。

最新決算である2025年8月期第2四半期決算では、国内の営業利益は6億4400万円。前年同期は、これが3400万円だった。なんと19倍近くも伸びたのだ。

その秘訣が「スッキリしたメニュー表」。

サイゼリヤ
サイゼのメニュー表。他チェーンが値上げを繰り返したことで、相対的に安さが際立っている(筆者撮影)
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