中国の自動車ディーラーを襲う「大量淘汰」の苦難 2024年に4400店余り閉店、外資の販売網も縮小

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「ディーラーの閉店と出店のトレンドは、エンジン車から電動車への需要のシフトや、外資系ブランドの人気低下と中国ブランドの躍進など、中国自動車市場の構造変化を反映している」。中国汽車流通協会の副秘書長を務める郎学紅氏はそう解説する。

同協会のレポートによれば、ガソリン車が主力の4S店は2024年末時点で(中国全土に)2万5108店と、2023年末より8.4%減少した。これに対し、EVやPHV(プラグインハイブリッド車)などの電動車が主力の4S店は7770店と、同22.1%増加した。

ファーウェイは都市の繁華街の自社ショールームでスマートフォンなどと一緒にクルマを展示・販売している。写真は北京のショールーム(同社ウェブサイトより)

一見すると電動車のディーラー数が少なく見えるが、これはフルサービスの4S店にカウントされない新業態の店舗が多数あるためだ。

劣勢ブランドは赤字販売

「電動車メーカーは(フルサービスにこだわらず)展示・販売に特化したショールームを都市の繁華街に出店したり、納車センターやアフターサービスセンターなどの機能別店舗を設けたりしている。仮にそれらを含めれば、電動車が主力の店舗数は2万1220店に達する」(郎氏)

このような大きな構造変化は、自動車ディーラーの経営者にとっては厳しい試練だ。ここ数年、中国自動車市場ではBYDなどの電動車メーカーが大胆な値下げ攻勢をかけ、エンジン車から市場シェアを奪っている。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

さらに、電動車メーカー同士の価格競争も過熱する一方だ。劣勢に立たされたブランドのディーラーは、仕入れ原価を下回る価格で売らなければクルマの在庫をさばけない苦況に陥っている。

自動車ディーラーが今後も生き残るための方策について、郎氏はポイントを次のように述べた。

「現在は自動車業界全体が淘汰の渦中にあり、完成車メーカーも撤退や再編が避けられない。ディーラー(の経営者)はメーカーと共倒れにならないよう、販売代理契約を結ぶブランドを慎重に吟味すべきだ」

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は4月10日

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