ポストに督促状…まさか亡くなった親が!? 知らないと地獄落ち「親の借金」相続放棄の罠と3カ月のタイムリミット
親の死後は、住民登録関係や年金関係、健康保険関係など、相続人がすべきことは多くあります。相続税が発生する場合は、10カ月以内にしないといけません。不動産の相続登記も義務化されました。
そうなのです。やることが満載なのです。
私は父が亡くなったとき、四十九日を終えて、本格的に死後の手続きに入りました。となると、相続放棄の手続き期限まで、1カ月強です。
督促状が届くのを、ただ待つというのも、精神衛生上よろしくありません。
親の気持ちを損なわずに、借金について聞く方法
それだけに、親が健在なうちに聞くことが鉄則になります。
私は母が元気だった頃、「まぁ聞くまでもないことだけど、うちは借金はないよね?」と尋ねたことがあります。すると「ないわよ」と笑って答えてくれたものでした。その言葉は、両親の死後の手続きの際、私にとって大きな“安心材料”となりました。
親に聞いて、借金がない場合は、笑って答えてくれるはずです。
一方、親が口を濁したら、借金がある可能性が高いといえます。親は「借金が相続人に引き継がれる」というルールを知らないのかもしれません。
この場合は、「相続のとき、残された家族が借金をかぶることになるんだよ。返済方法の計画を立てたりするためにも、教えてほしい」と伝えましょう。親はちゃんと告白するはずです。
親の借金が判明したら、プラスの財産もざっくり把握してください。
相続放棄は、プラスの財産もマイナスの財産もすべて放棄する制度です。
例えば、300万円の借金があるものの、1000万円の不動産を所有しているのであれば、不動産を売却し、借金返済に充てればよいのです。プラスの財産を把握しておかないと、大きな損をしてしまうことになるのです。
なお、親が元気な段階で、借金があることを聞き出し、その額が、親の生活スタイルを見直すことで返済が可能であると判断したら、家族で話し合って、その借金をどのように減らしていけばいいのか、計画を立てていくことをおススメします。
借金のある親に「借金は家族のもの」であることを伝えれば、生活を改める気持ちが芽生えることは十分あり得ます。
司法統計によると、相続放棄の件数は、2023年度で約28万件となっており、この5~6年は、毎年約1万件ずつ増加しています。そして、相続放棄する理由でいちばん多いのは「被相続人の借金」なのです。
相続放棄は、借金を抱えた親を持つ子どもの当然の権利だと覚えておきましょう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら