注目すべきなのは、このような厳しい経営環境にもかかわらず、贛鋒鋰業が(過去に公表した)長期目標を修正していないことだ。同社は2030年までにリチウム製品の年間生産能力を60万トン以上に引き上げることを目指しており、その布石を世界各地で打ってきた。

例えば、同社が2021年に開発権益を取得したアフリカのマリのゴウラミナ鉱山は、第1期プロジェクトの建設工事が2024年末に完了し、試験生産に入った。同鉱山は岩石からリチウムを取り出すタイプの鉱床としては世界最大級で、炭酸リチウム換算の推定資源量は713万8300トンに上る。
(訳注:リチウム製品の原料には、鉱山で採掘されるスポジュメン鉱石またはリチウム塩湖のかん水の主に2種類がある)
また、2022年に開発権益を取得した南米アルゼンチンのサルタ州にあるマリアナ塩湖でも、第1期プロジェクトのリチウム抽出プラントの稼働準備が整ったとしている。
低コストの資源開発を優先
贛鋒鋰業は決算報告書の中で、自社保有の開発権益のポートフォリオを引き続き拡大し、リチウム資源の“自給率”を高めるとともに、より低コストの資源開発を優先的に進める方針を明らかにした。

同社がリチウム製品の原料として使用するリチウム精鉱(訳注:鉱山で採掘した鉱石を選別して純度を高めたもの)は、2024年は使用量の26.5%が社外から購入したもので、平均調達コストは1トン当たり8万9800元(約186万円)だったという。
「より低コストのリチウム資源開発を自ら手がけ、社外からの原料購入を減らせば、調達コストをもっと下げることができる」。財新記者の取材に応じた贛鋒鋰業の関係者は、長期目標を維持する狙いをそう説明した。
(財新記者:廬羽桐)
※原文の配信は3月29日
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