指導者のカリスマ性はどこから生まれるのか--ジョセフ・S・ナイ ハーバード大学教授

今年、主要な独裁国家2カ国で指導者の交代が予定されているが、民主主義国における政治の行方を読むのはとても難しい。フランスではサルコジ大統領が、米国ではオバマ大統領が、再選に向け厳しい選挙戦に直面している。

2008年の米大統領選挙でマスコミは、オバマが勝ったのは、人を魅了し従わせる特別な力、つまりカリスマ性があったからだと説明した。もしそうならば、たった4年後に、なぜオバマ再選が確実でない状況が生まれるのか。指導者はカリスマ性を失いうるのか。カリスマ性が生じるのは、当人からか、信奉者からか、それとも状況からか。

最近の調査は、誰がカリスマ的な指導者であるかについて「比較的少ししか」わかっていないと結論づけている。政治コンサルタントのディック・モリスは、「カリスマ性は、政治的な特性として最もとらえどころがない。それは現実には存在せず、候補者が努力と適切な問題提起によって生み出した結果、人々の認識の中だけに存在する」と指摘する。

同様に、業界紙は経営者に対し、物事がうまくいっているときは「カリスマ的」と評し、利益が減少するとこのレッテルを取り去る。

政治学者は、投票結果や大統領支持率を予想するカリスマ性の物差しを作ろうとしたが、まだ有効なものはできていない。歴代の米大統領では、ケネディ大統領がカリスマ的だとされることが多かったが、誰にとってもそうだったわけではないことは、大統領選の一般投票で過半数を取れなかったことや就任中の支持率が変動したことからもわかる。

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