中国とEU、中国製EVの「追加関税」めぐる交渉再開 「トランプ関税」が契機、最低価格の協議を開始

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EUが追加関税の導入に踏み切ったのは、低価格の中国製EVの輸入が数年前から急増し、ヨーロッパの自動車メーカーの経営や雇用に脅威を与えていると判断したためだ。EU側の統計によれば、中国からの自動車輸入(エンジン車を含む金額ベース)は2019年から2024年までの5年間で17倍近くに膨張した。

EUが課した追加関税により、中国製EVの対欧輸出は大幅に落ち込んだ。写真は2022年、ヨーロッパ行きの船積みを待つ中国製EV(上海汽車集団のウェブサイトより)

ところが、アメリカでの第2次トランプ政権の発足が、世界貿易の局面を一変させる激震をもたらした。トランプ大統領は3月26日、EU製を含むすべての輸入車に25%の関税を課すと発表。それに強い危機感を抱いたことが、EUを中国との交渉のテーブルに引き戻した。

EUの対中自動車貿易は黒字

欧州自動車工業会のデータによれば、EUは2024年に74万9000台の自動車をアメリカに輸出した。トランプ政権の関税引き上げにより、ヨーロッパの自動車産業が打撃を受けるのは避けられない。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

EUの自動車輸出を金額ベースで比較すると、2024年はアメリカ向けの389億ユーロ(約6兆2806億円)が最大であり、イギリス向けの343億ユーロ(約5兆5379億円)が第2位、中国は145億ユーロ(2兆3411億円)で第3位だった。また、EUと中国の自動車貿易はEU側が28億ユーロ(約4521億円)の黒字になっている。

中国商務省の発表によれば、欧州委員会のセフコビッチ委員は4月8日のオンライン会談の中で、王商務相に対して次のように意欲を見せた。

「EUは中国との経済貿易関係を重視している。中国との対話とコミュニケーションを促進し、双方向の市場アクセス、投資、産業協力を拡大したい」

(財新記者:余聡)
※原文の配信は4月11日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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