「日本企業で働き続ければよかった…」 努力しても報われない《ブラック化する中国企業》で働く中国人の本音

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中国 働き方改革
北京のビジネス街(写真:ロイター/アフロ)

「日本人が昔ほど働かなくなった」「日本企業が緩くなった」

日本企業と取引のある中国人からこんなぼやきを聞くことが増えた。日本企業で働き方改革が進み労働時間が減っただけでなく、景気低迷や競争激化で中国企業の働き方が「昭和化」していることも、中国人の「日本人労働者観」の変化に影響しているようだ。

問い合わせの返信が遅い

「日本の本社が緩くて、こちらの中国人社員に示しがつかない」

日本企業の中国支社で管理職を務める彭雲さん(仮名)は、「コロナ禍の間に、本社がすっかり変わってしまった」と困り果てていた。

彭さんは日本の大学院を修了し、関西の専門商社で10年働いた後、2000年代後半に中国に戻った。勤務先は人材派遣業を営み、日本の人手不足の現場に外国人材を送り込んでいる。

彭さんによると、この1~2年は事業への追い風が強く吹いている。

「日本は人手不足が深刻化するだけでなく、インバウンドが盛り上がり多言語で接客できる人材の需要が高まっています。そして中国は不景気で人材があふれています。需要と供給の両方が拡大し、当社にとってかつてないチャンスです。でも……」

目下の悩みは、日本本社との連絡がスムーズにいかないことだ。問い合わせをしても返信が遅れがちで、金曜日に出したメールの返信が翌月曜日に戻ってこないこともある。

「5~6年前までは、中国支社のレスポンスが遅くて本社から怒られていたのに、今は逆転してしまいました」

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