金融庁がプルデンシャル生命に報告徴求命令、元営業職員による巨額詐欺事件で問われる管理体制

外資系生命保険会社のプルデンシャル生命保険と持ち株会社のプルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパンが、元社員による詐欺事件をめぐって、金融庁から保険業法に基づく報告徴求命令を受けていることがわかった。
プルデンシャル生命をめぐっては、元社員が金銭詐取容疑などで逮捕される事例が相次いでいる。
2024年6月には、金沢支社に所属していた60代の元社員(2011年に退職)が、同社の契約者などに「元本を保証する」などと言って、投資名目で金銭をだまし取った容疑で石川県警に逮捕されている。同社によると退職後も犯行に及んでおり、1999年から2023年の24年間にわたって、契約者など34人から総額7.5億円を詐取していたという。
巨額の詐欺事件を受けて、プルデンシャルは再発防止に向けて「経営陣を先頭に、全社的な取り組みを進めている」としていたが、その3カ月後にも別の元社員が詐欺容疑で新潟県警に逮捕されている。

この事件では、汐留支社に所属していた30代の元社員(2023年退職)が、2018年から2023年までの5年間にわたって、架空の金融商品への投資を契約者などに持ち掛けて金銭をだまし取っていた。同社の調査では、被害者は10人、被害金額は約1.7億円に上るという。
両事件とも被害金額が億円単位に上っており、金融庁は詐欺行為の組織性、反復性、悪質性が高いとみて、報告徴求命令に踏み切ったようだ。
顧客リストの流出でも逮捕者
またプルデンシャル生命では2025年2月に、約800人の顧客リストを転職先企業に不正に持ち出したとして元社員が神奈川県警に不正競争防止法違反の疑いで逮捕される事案が発生している。
同社のコンプライアンス(法令順守)体制や経理管理体制が、今後厳しく問われることになりそうだ。
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