実店舗でよく見て、気に入って買った商品でも、その後にSNS上でネガティブな情報に触れると、自分の買物を否定されたような気分になる――そんな体験をした人もいると思います。
なんでも調べられて便利な時代ですが、オンライン、リアル店舗問わずに品質で失敗するリスクはまだまだあるのです。
生活者が「品質で損していないと思える」のはどんなときでしょうか。ひとつは「ネガティブ要素が事前に織り込み済み」のときです。
なぜ安いのか、どの部分でコストを削っているのか。あるいは逆になぜ高いのかがオープンになっていると、失敗するリスクを減らすことができます。「品質の損」は、想定と違うために生じるギャップが問題なのであり、はじめからわかっていればそれを許容するかどうかの話です。
ですから、あえて辛口のレビューを中心に見て、購入の判断をしている生活者も少なくありません。
近年のレトロブームも「損失回避」の一種といえます。昭和の音楽や、純喫茶、銭湯、Y2K(1990年代後半〜2000年代に流行ったファッション)などが、Z世代(1990年代後半〜2010年生まれ)の間で人気になり、レトロブームといわれています。
一般的には「可愛い」「インスタ映え」といった見た目の新鮮さ、「エモさ」という表現しがたい感情の揺さぶりが主要因とされています。ただ、それだけではなく、「過去の流行」という実績が、古典としての本質的な良さや、確かな価値の保証として働いていることも見逃せません。Z世代にとってのレトロは、奇抜な冒険でありながらも、失敗のない選択でもあるのです。
これって本当にお買い得?
次に、食品や消耗品でよくある②買う量やサイズで失敗しない、を説明します。
これまでの常識では、「大容量パック=お買い得」でしたが、最近では事情が変化してきました。食べ切れずに腐らせてしまえば損ですし、腐らないものでも使い切れないほど買ってしまうのも損です。
こうした「多すぎて失敗」を避けるのに有効なのが「小分けパック」です。小分けパックは、余らせずに使い切れるというメリットに加えて、毎回新鮮な状態を楽しめるという価値があります。
また、新しい商品を試してみたいときにも小分けパックは便利です。
国立社会保障・人口問題研究所発表の「令和6年日本の世帯数の将来推計(全国推計)」によると、単身世帯の数は2025年予測で4割を占めます。その後も15年程度は単身世帯数の割合が増え続けますので、今後も小分けパックの需要は高まっていくでしょう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら