【伝統のCBシリーズ復権の可能性】ホンダ「CB1000Fコンセプト」を発表、往年の名車「CB750F/CB900F」をオマージュしたデザインに熱視線
1990年代には、スペンサー氏がアメリカで闘ったCB900Fのカラーリングを施すカスタマイズが大流行したほどだ。今回のCB1000Fコンセプトが話題を呼んでいる理由のひとつが、そのカラーリングがいわゆる「スペンサー号」を彷彿とさせるからだ。当時を知る筆者のようなベテランライダーにとって、CB1000Fコンセプトは、まさに「憧れのバイクの復刻版として登場するのでは?」といった期待を抱かせるのだ。
国内ではCB750Fが憧れの的に

ちなみに国内版のCB750Fも、いまだに多くのファンから支持されている名車だ。その理由のひとつには、1980年代に大ヒットしたバイクマンガ「バリバリ伝説」で、主人公・巨摩 郡の愛車として登場したことも挙げられるだろう。マンガ内では、赤いCB750Fを駆る主人公が大活躍。赤×白のオリジナルグラフィックを施したヘルメットは、レプリカ版が販売されるほどの人気だった。
ちなみに排気量750ccのバイクは、当時「ナナハン」と呼ばれ、多くの国内ライダーにとって垂涎の的だった。理由は、メーカーの自主規制により、先に述べたように、当時の国内で乗れる最大排気量だったことだ。加えて、当時の制度では「自動二輪免許の限定解除(現在の大型二輪免許)」が必要だったことだ。
とくに大型バイクに乗れる運転免許は、今のように自動車教習所で取得できず、運転免許試験場でいわゆる一発試験に合格するしか取得の道はなかった。しかも合格はかなりの難関で、「10回以上挑戦しても不合格」といったライダーもざらだった。そんな背景のなか、高性能ぶりが世界的に評価されており、人気マンガでも活躍していたCB750Fは、まさに当時の若者のハートをグッとつかんだバイクの1台だったのだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら