失敗から学ばずに成功している他国を見習わない日本、石破政権の下では国民の生活は再び貧しくなるばかりだ

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この数字は推計値であり実際の財政収支とは完全に一致しないが、2022年から財政収支が持続的に改善しているのは明白である。インフレを伴う名目GDPの拡大によって、税収が大きく増えているためである。つまり、いわゆるインフレ税が、民間部門に強く課せられている(それを和らげるのが、所得税の基礎控除の引き上げ政策である)。

税収は公的部門の「所得」に相当するが、法人所得とともに大きく増えている。一方で消費は停滞している。

石破政権下では「教科書どおりの政策」もできない

消費が増えない1つの理由は、食料品価格の上昇で実質所得が目減りしていることだが、そもそも名目ベースでの家計所得が十分伸びていないことが、2024年から個人消費にブレーキがかかっている根本的な理由である。家計所得が増えるためには、雇用・賃金が増える、あるいは税・社会保障負担を減らせばよい。

2024年も個人消費はほとんど伸びずに終わり、日本経済はいまだ自律的な回復には至っていない。このため、安定的な景気回復を実現するために、家計の可処分所得を引き上げる財政政策が望ましいが、石破政権下では「教科書どおりの経済政策」は残念ながら実現しないのだろう。

海外に目を転じれば、「ついに目覚めた欧州、日本はまだ眠り続けるのか」(2025年3月18日配信)でもふれたとおり、長年緊縮的な財政政策を続けたドイツも、ついにこの2月、財政政策は拡張方向に転じた。

自国の失敗の教訓からは目を背け、成功している他国を見習わない。基本的な振る舞いができない政治リーダーの下では、国民の生活は再び貧しくなるのが当然である。

(本稿で示された内容や意見は筆者個人によるもので、所属する機関の見解を示すものではありません。本記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

村上 尚己 エコノミスト

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むらかみ なおき / Naoki Murakami

アセットマネジメントOne株式会社 シニアエコノミスト。東京大学経済学部卒業。シンクタンク、外資証券、資産運用会社で国内外の経済・金融市場の分析に従事。2003年からゴールドマン・サックス証券でエコノミストとして日本経済の予測全般を担当、2008年マネックス証券 チーフエコノミスト、2014年アライアンスバーンスタン マーケットストラテジスト。2019年4月から現職。

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