失敗から学ばずに成功している他国を見習わない日本、石破政権の下では国民の生活は再び貧しくなるばかりだ
安倍政権で起きた政策転換によって、ようやく日本経済は異常な状況から脱した。ただ、時を経て2024年に石破政権が誕生、日本のマクロ安定化政策(金融財政政策)は、再び機能不全に陥りつつある、と筆者は懸念している。
マクロ安定化政策を適切に発動しなければ、経済的な豊かさ高められない教訓を理解できない政治家らが迷走しているようにみえるからだ。
政府の財政は「緊縮政策」で急速に改善中
少数与党となった石破政権となってから、適切な金融財政政策は行われていない。財政政策については、総選挙で躍進した国民民主党が掲げていた7兆円規模の所得減税策は、与党と日本維新の会との協議が合意に達したことにより、1兆円程度の小規模な所得減税まで大きく縮小した。その一方で、自民党は、2026年からの、法人税とたばこ税による同規模の増税を打ち出している。
そもそも、1兆円規模の減税では、インフレによって税率負担が高まる、いわゆるブラケット・クリープ問題への対応として不十分だろう。石破政権では、事実上の増税策が強まり、日本の財政政策は経済成長を抑制、緊縮する方向に作用している。
「国民民主の要求が実現しないなら日本は後進国だ」(2024年12月10日配信)でも述べたように、インフレ率の上昇に応じて、所得税などの税率を変えるのは世界の常識だが、日本では通用しないようだ。1990年代からデフレを長年にわたり事実上放置してきた、日本の「ガラパゴス金融財政政策」が復活しつつある、ということではないか。
実際、緊縮的な財政政策になっていることは、日本の急速な財政収支の改善が明確に示している。日本銀行の資金循環統計によれば、一般政府部門の資金過不足は2024年10~12月期にプラスに転じたが、同統計がさかのぼれる2005年以来の出来事である。これは政府の財政収支に相当するが、税収が大きく増え続ける一方で政府歳出を抑制しているので、政府の財政収支が2024年にかなり均衡に接近していることを意味する。
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