国家によるグローバル化から都市・地域でのグローバル化こそ日本経済復興のカギとなる
経済について見ると、世界のGDP(国内総生産)は2005年44.4兆ドル、2020年代には70兆ドルと予測されていたが、現実には2023年すでに105.4兆ドルとなり100兆ドルの大台に乗っている。
さらにアジアについてみると、「2025年にはアジアが世界経済の軸のひとつとなることが期待される――ある予測によると、2025年にはブラジル、ロシア、中国、インドのGDPが、主要6カ国(アメリカ、日本、ドイツ、英国、フランス、イタリア)の半分になっていて、2040年には追い越すだろう。
GDPによって計測すれば、アメリカ、中国(2016年に日本を追い越すはず)、日本、インド、ドイツが2025年のもっとも豊かな国の五つとなっているだろう」(39ページ)と書かれている。
西側諸国の衰退と新しい世界
しかし、実際には2023年世界のGDPの25%、25兆ドルをBRICS諸国が占めている。計算をドルベースでなく購買力平価で測れば、すでに主要国を追い越しているのである。
われわれにとってはショックなことだが、これで計算すれば、1位中国34兆ドル、2位アメリカ27兆ドル 3位インド14兆ドル、4位日本6.2兆ドル、5位ドイツ5.9兆ドル、6位ロシア5.5兆ドル、7位ブラジル4.5兆ドル、8位インドネシア4.3兆ドル、9位フランス4.19兆ドル、10位イギリス4.17兆ドルといった具合で、トップ10にG7以外の国が半分も入っていることがわかる(もちろん計算が正しいという前提だが)。
こうしてみると、予測と違ってアメリカと西欧が衰退し、BRICS、とりわけアジアの勢力が台頭してきた時代になったといえる。もちろん、現状の制度をつくっているIMF(国際通貨基金)体制、国際秩序という側面からはまだ西欧が中心だといえる。しかし、物づくりについていえば、すでに西欧支配は終焉したといっていいかもしれない。
歴史上、ベネチア、アムステルダム、アントワープ、イギリスのように、もの作りが衰退し金融が中心になった国や都市がすべて衰退したことを見れば、この優位ですら長く続かないかもしれない。
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