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【幼少期の思い出はつくり変えられる?!】あなたの記憶はどこまで信用できますか?注意が必要な「後知恵バイアス」を解説

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  • 栗山 直子 東京科学大学リベラルアーツ研究教育院/環境・社会理工学院 講師
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たとえば、訪問前に「失敗に終わる」と予想していた人が、「私は成功を信じていた」などと考え始めたのです。人間は後から結果や知識を与えられると、知覚や記憶を無意識に変化させてしまうことがあるのです。私たちの予測の精度は自分たちが思っている以上に悪いともいえます。

裁判の証言はあてにならない訳

後知恵バイアスは、実際に起きた事件や事故、裁判にも影響を与えることがあります。ある川で起きた鉄砲水による水難事故をめぐる刑事裁判がありました。争点は、鉄砲水発生の予兆である川の濁りを被告側が事前に認識し、事故を回避できる可能性があったかどうかでした。

事故前に撮影された川の写真は、濁りの有無について評価が分かれるものでした。事故前に現場にいた関係者は写真を見て、「水は濁っていた」と証言しましたが、本当に川が濁っていたのかどうか、写真だけでは断定できる要素がありませんでした。

「鉄砲水が起きたことを知っているため、濁っているように感じているのではないか」と考えた弁護側は認知心理学の専門家に証言を依頼します。そこで、専門家は実験を行い、影響を調べました(Yama, Akita & Kawasaki(2021))。

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実験参加者を2つのグループに分け、河川の写真を示しました。水の濁りが鉄砲水の予兆であることをあらかじめ伝え、濁りの程度を評価するように求めました。ただ、片方のグループには「実際に鉄砲水が起きた川」として写真を見せ、もう一方にはその情報を与えず、評価がどう左右されるかを検証しました。

平均値を比較したところ、鉄砲水が発生した川という結果を事前に知らされたグループの方が、より強く濁りを評価する傾向が出ました。条件を変えた別の実験でも同様のデータが得られており、同じ写真でも、結果を知ることで濁りが強く見えることがわかりました。典型的な後知恵バイアスであり、そうしたバイアスに基づく発言は実際の裁判でも起きる可能性を示しています。

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