アップルが「年商2000億ドル」を目指す新事業 ティム・クックCEOが未来戦略を大胆に語った
レヴィ氏はクック氏をステージ上に呼び込むと、まず、「なぜエンタープライズの会議に登壇したのか」と尋ねた。
「我々は常に、人々がこれまでできなかったことを実現するためのツールを作ることを考えている。それは人々に活力を与えるものだ。我々はコンシューマーとエンタープライズで分けるなら、コンシューマー側にいる。しかし、エンタープライズ向けの電話や車を使いたい人はいない。人々は、生活の中で、いつでも我々の製品を使いたいと考えている。電話を2つ持ち歩きたくもないし、iPadでも同じことだ。我々は世界を変える人々を助けるツールを作りたいと願っている。それは、エンタープライズ市場でも同じことだ」(クック氏)。
「各業界に深い知識がない」から他社と組む
アップルはエンタープライズ市場において、業界の専門的なアプリ開発でIBMと、ネットワークの最適化でシスコシステムズとの提携を結び、今回BoxともiOS向けのアプリ開発で連携を取っている。
加えて、9月9日のiPhone 6sシリーズの発表イベントで披露した、大型タブレットiPad Proは、ビジネス市場を意識しており、マイクロソフトのOfficeアプリ、アドビシステムズのクリエイティブアプリのデモを披露するなど、より具体的なエンタープライズ活用を「自分たちだけでやらない」姿勢を徹底しているようにも見える。
その理由について、クック氏は、パートナーシップの重要性を指摘した。「アップルはすべての垂直統合的な深い知識を持ち合わせていない。そのため、知識を持ち合わせているパートナーが必要だ。我々の技術がエンタープライズ市場に大きな影響をもたらすと考えている。セキュリティは、スマートフォンをデザインしてからでは後付けできないからだ」。
また、「働き方の変革」はBox Works 15のキーフレーズにもなっているが、その方法はモバイルであると明言した。
「疑う余地なく、『最高の企業はモバイルを活用している』と思う。しかしエンタープライズ市場でのモバイル活用は始まったばかりで、ショッキングなほど浸透率は低い。幸いなのは、誰も後ろ向きでないことだ。可能性は大いにある」(クック氏)。
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