同志社大学・太田肇教授の新モチベーション論(第9回)--重層的な表彰制度が社員のモチベーションを向上させる

 

このように半期、毎月と期間が決められているので、期間内に成果をあげようと集中でき、モチベーション・アップにつながっているといわれる。

それ以外にも、同社にはさまざまな動機づけの仕掛けがある。その一つが「トピックスメール」で、仕事で貢献したり成果をあげたりした人がいたら、その人の上司、同僚、部下が貢献や成果を称えるメールを部署のメーリングリストに流す。色文字や写真を使ったHTMLメールにすることで、読ませる工夫をしており、それを読んだ人がまたメールでほめる。そして部署によっては、ほめた人をまた賞賛する「ベストピ賞」という賞を贈っているところもある。

さらに社員が自分のアイデアやサービス企画を提案し、実際に事業化することができる社内限定の新規事業プランコンテストなどもあり、受賞者は事業責任者となることができる。また、若手の抜擢例も多く、20代のうちに子会社の社長や役員に抜擢された人がすでに20名以上いるという。

このようにレベルの異なる複数の賞が存在するので、社員にとっては表彰される機会がたくさんある。また表彰とほめる文化づくりや社員のキャリアアップとがリンクさせられているので、会社全体の活性化にも役立っていると考えられる。

おおた・はじめ
同志社大学政策学部教授。日本表彰研究所所長。神戸大学大学院経営学研究科博士前期課程修了。京都大学経済学博士。滋賀大学教授などを経て2004年より現職。著書に『「不良」社員が会社を伸ばす』『認め上手』など多数。

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