「脱毛サロン大手ミュゼ」社長が書面1枚でクビに 解任を通告された社長は「クーデター」を主張

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4日後の2月14日、従業員に対して全取締役の解任と阿部氏の社長就任、そして会長を務めていた大島正人氏が筆頭株主となったことが通知されたという。

2015年以降のミュゼは流転を続けてきた。スポンサーや株主が入れ替わり立ち替わり現れ、その都度会社は売却されていったのだ。

これまでにスポンサーとなったのはRVH、高野友梨氏が代表を務める会社、船井電機、KOC・JAPANなど。2024年9月、ミュゼの運営主体は会社分割されて設立されたMPHへと移った。

MPHの筆頭株主となったのは、モンゴルなどで投資活動を行っている投資ファンドのグローバルブリッジファンドだ。そしてグローバルブリッジファンドが保有していたMPH株をトラストと一緒に取得し筆頭株主となったと主張しているのが、MPH会長の大島氏だ。

ミュゼプラチナムの親会社の変遷

大島氏はわずか数年で脱毛サロン「LACOCO(ラココ)」を大手チェーンにまで急成長させた人物。一方で、2023年にはクレーンゲーム景品の販売や出版事業などを展開する東証スタンダード上場企業のフォーサイドの筆頭株主に躍り出た。翌年には社長に就任している。

今回の事態についてどのように考えているのか。電話取材を行ったが、大島氏は「今の段階では何も語れない。ノーコメントでお願いします」との返答だった。

置いてけぼりの従業員たち

ミュゼが再び世の注目を浴びるきっかけとなったのは、昨年10月の船井電機の破産申し立てにある。船井電機は破産申し立てに至る経緯として、ミュゼに対する資金支援などにより、多額の資金流出があったとした。

また船井電機傘下にあったときのミュゼで、ネット広告企業に対する約22億円の支払いが滞る事態が発生。船井電機の株式が仮差し押さえられるなどした。これも破産の原因にもなった。

ミュゼの経営や船井電機の破産をめぐっては騒動に湧く反面、全国に3000人以上いるとされるミュゼの従業員たちは完全に置いてけぼりの状態だ。

破産に追い込まれた創業70年の名門「船井電機」。そのとどめを刺したのは大手脱毛サロン「ミュゼ」だった。両社に何があったのか。東洋経済オンラインでは、有料会員向けにその背景に迫った詳報記事を掲載している。

詳報記事はこちら

根本 直樹 ライター

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ねもと なおき / Naoki Nemoto

1967年生まれ。立教大学文学部仏文科中退。その後『週刊宝石』記者を経てフリーに。主に暴力団や半グレなどアンダーグラウンド分野の取材・執筆活動を続けている。

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田島 靖久 東洋経済 記者

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たじま やすひさ / Yasuhisa Tajima

週刊東洋経済副編集長。大学卒業後、放送局に入社。記者として事件取材を担当後、出版社に入社。経済誌で流通、商社、銀行、不動産などを担当する傍ら特集制作に携わる。2020年11月に東洋経済新報社に入社、週刊東洋経済副編集長、報道部長を経て23年4月から現職。『セブン&アイ 解体へのカウントダウン』が小社より24年12月発売。

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