自公維の合意ににじむ「吉村維新」の"前途多難" 「大阪党」の限界露呈、参院選も厳しい戦いに

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そもそも修正協議では、維新側の内部対立ばかりが際立った。25日昼過ぎからの両院議員総会でも、執行部に距離を置く議員からの異論、反発が相次ぎ、2度の休憩を挟んでの夕方、ようやく多数決で3党の合意文書案への賛成を決めるという経過をたどった。結果的に教育無償化などの〝戦果〟は得たものの、党を率いる吉村氏の政治姿勢や、幹部の根回し不足への批判はなお根強く、「今後の党内運営の円滑化につながりそうもない」(東京維新幹部)との厳しい見方が広がる。

今回の自公維合意について、石破首相(自民党総裁)は党首会談で「精力的に粘り強く協議され、合意にこぎ着けたことに、心から敬意を表する」とまずは担当者をねぎらった。そのうえで石破首相は、「与野党の建設的な協議と合意は意義深い。合意事項の実現に向け、責任と誠意をもって対応する」と真剣な表情で同席した3党幹部に改めて今後の誠実な対応を促した。

3月3日以降の衆院通過でも「年度内成立」は可能

一方、与野党が基本合意した今後の予算委の審議日程をみると①27日午前の旧安倍派会計責任者参考人招致とそれを受けての「政治とカネ」の集中審議②27、28両日の分科会審議――などとなっており、政府与党が目指してきた2025年度予算の自然成立が決まる3月2日までの衆院通過は「事実上断念せざるを得ない」(自民国対)のが実態。ただ、参院は自公が過半数を維持しているため、「3日以降の衆院通過でも審議が順調なら、年度内成立は十分可能」(同)との見方も少なくない。

そうした中、自民、公明両党は26日も国民民主、立憲民主両党との修正協議を継続した。これについて与党幹部は「自民は維新との合意を『部分連合』と位置づけ、夏の参院選までの政権運営の円滑化を目指しているが、今後の維新との連携はなお不透明だ」と分析。「だからこそ、野党第1党の立憲民主や、国民的支持を集める国民民主との政策協議をやめるわけにはいかない」と表情を引き締める。

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