城西高校、日本の高校に通いながら「米・名門高校の卒業資格」も取れる教育の中身 「デュアルディプロマプログラム」修了生の今

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そのPCDが、世界25カ国でオンラインプログラムを推進するハドソングローバルスカラーズと共同で開発したのが、PCDグローバルキャンパス。アメリカのハイレベルな教育プログラムをオンライン化して提供しています。

日本における運営母体は、JAAC学術センター。ここは、アメリカの大学で学ぶ日本人留学生をサポートすることを目的に設立された団体で、留学事業のほかハーバード大学との連携プログラムなど国際教育プログラムの開発も行っています。現在、国内にはこのプログラムの加盟校が39校(公立・私立・通信制含む)あります。その顔ぶれを見ていくと、やはりグローバル教育に力を入れている学校が多い印象です。

卒業と同時に全米トップ2〜8%の大学への入学が保証される

DDPの最大のメリットは、留学をしなくても、日本の学校教育を受けながら同時にアメリカの高校教育を英語で経験でき、海外大学進学の道も開ける点です。

規定の成績(4段階で2.5以上)を収めて修了し、国内の高校を5段階で3.5以上の成績で卒業できれば、全米トップ2〜8%に含まれるパートナー大学への入学が100%保証される入学保証制度があるのです。

なお、通常それらの大学に合格するためには英検準1級相当のTOEFLやIELTSのスコア、アメリカの大学進学適性試験SATやACTの成績の提出も必要ですが、それも免除されます。つまり、このプログラムを修了したことで、それ相応の実力があると見なされるわけです。

また全米200校以上の大学が加盟する給付型奨学金制度への参加資格も得られます。当然、それだけの実力があれば、国内難関大学に総合型選抜で挑む場合にもかなりのアドバンテージになるでしょう。実際、受講生の約半数は、総合型選抜で慶応・早稲田・GMARCHをはじめ、国内の難関大学に進学しています。

海外大学進学が広がっているとはいえ、とくにアメリカの大学の学費はうなぎ登りですし、しかも円安で保護者の負担はかなりのものになりますから、留学制度の充実している国内大学を経由して海外大学に進学するほうが現実的という家庭も多いのではないでしょうか。

その点、状況を見ながら国内・海外どちらの大学も選べるのは、DDPのメリットと言えるでしょう。

DDP入学には英検2級程度の英語力が必要

では、具体的にどのようなプログラムなのでしょう。実際にこのプログラムを修了した生徒に話を聞きました。

今回話を聞いたのは、李 蒔温(りしおん)さん。城西大学附属城西高校の3年生で法政大学グローバル教養学部への進学が決まっています(取材当時)。

李さんがDDPに入学したのは、高校1年生の時。将来英語を積極的に使っていきたいという希望もあり、城西高校が加盟校になった初年度にたった一人で参加を決めました。

ちなみに、李さんが英語を本格的に学び始めたのは中学1年から。DDP本コース入学条件である英検2級を中学3年生で取得して参加しました。

李さん曰く、英検2級程度の英語力はマスト。ギリギリ学習についていけるレベルだそうで、英語力に自信がない生徒には、受講時に求められる英語力を短期間(最短16週間)で養成するための準備コースがあります。

プログラムの履修期間は2年間(1学期16週間×6学期)。1科目あたり8週間(2カ月)で、下図の各分野の科目を履修していきます。

1週間の平均学習時間は、週4時間のオンライン個人学習と週3時間のオンラインライブ授業の計7時間です。李さんは、昼間の高校の授業と部活も続けながら放課後と週末の時間を使って学習を続けたそうです。

コツは学校の定期考査にかからないようにレポートを仕上げること。プログラムを通して、計画を立てて実行する力がついたと話してくれました。

日本の高校生がPCDの高校卒業証書を取得するためには、日本の中学3年から高校3年の4年間の履修科目から認定する15単位(15科目)と、DDPで履修する5単位(10科目)、計20単位が必要です。

DDPのカリキュラムは、アメリカ本校でも行われている内容で、国内外の優れた大学への進学に求められるアカデミック イングリッシュ スキル、クリティカル シンキング スキル、イングリッシュ コミュニケーション スキルを実践により向上させ、かつ、これからのグローバル社会で活躍するための素地となる知識の習得を念頭に選ばれています。

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